- 2022/11/19 掲載
米中古住宅販売、10月は5.9%減 9カ月連続減 価格高止まり
[ワシントン 18日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が18日に発表した10月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比5.9%減の443万戸となり、9カ月連続で減った。2020年春の新型コロナウイルス流行の初期段階で急落したのを除くと、11年12月以来、10年10カ月ぶりの低水準となった。
30年固定住宅ローン金利が約20年ぶりの高水準にあるほか、中古住宅価格も高止まりしており、多くの米国民にとって住宅は手が届かなくなっている。
前年同月比では28.4%減と08年2月以降で最大の落ち込みとなった。
ロイターが調査したエコノミスト予想は438万戸だった。
需要が弱まっているにもかかわらず、住宅供給は依然逼迫しており、住宅価格上昇の鈍化を抑えている。
10月の中古住宅価格の中央値は前年同月比6.6%上昇の37万9100ドルとなり、過去最長となる128カ月連続で上昇した。
高インフレを抑えるために米連邦準備理事会(FRB)は1980年代以来の速いペースで利上げを進めており、住宅ローン金利は急上昇している。米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、10月の30年固定住宅ローン金利の平均は、02年以来となる7%の大台を突破した。直近の週は6.61%だった。
米当局が17日に発表した一戸建て住宅の建設許可件数は20年5月以来の低水準に落ち込んでいた。
ハイフリークエンシー・エコノミクス(ニューヨーク州ホワイトプレーンズ)のチーフエコノミスト、ルベーラ・ファルーキ氏は「住宅ローン金利の上昇と住宅価格の高騰は、依然として住宅販売の大きな制約になっている」と述べた。
中古住宅販売は4地域全てで大幅に減少。前年同月比でも全ての価格帯で減少した。
在庫は前月比、前年同月比とも0.8%減の122万戸。
新たに販売された中古住宅は大半の地域で前年同月比約10─20%減少した。
10月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は3.3カ月。前年同月は2.4カ月だった。健全な需給バランスは4─7カ月とされている。
住宅が市場に出ていた期間は21日間で、9月の19日間から増加。販売された住宅の64%は1カ月以内に市場に出ていた。
初回購入者の割合は28%。前月および前年同月は29%だった。現金のみによる販売の割合は26%。前年同月は24%だった。
ジロウのシニアエコノミスト、ニコル・ブショー氏は「最近の住宅ローン金利の低下により、今後数カ月は猶予が与えられるかもしれないが、住宅価格は堅調に推移しているもようで、値ごろ感という課題が依然として残っている」とした。
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