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茂木健一郎氏が問う、AIが「1万倍速」で処理する時代「1倍速」の人間に残されるもの
AIは今や「1万倍速」でデータを処理する。だが、経営判断・採用・企業のパーパス策定──本当に重要な意思決定はすべて、依然として「1倍速」の人間の脳にしか委ねられない。この非対称な現実の中で、日本企業の経営者たちは果たして、思考するための「余裕」や「安全基地」を持てているだろうか? 脳科学者の茂木 健一郎氏とSplunk Services JapanのCTO 森 玄理氏が、対話を通じて紐解いていく。AIは「1万倍速」、人は「1倍速」…取り戻すべき時間と直感
脳科学者 茂木 健一郎氏(以下、茂木氏):現在、私はAIシステムを人間の意図する目的や嗜好、倫理原則に合致させることを目的とした「AIアライメント」について研究しているのですが、これまでAIといえばコスパ・タイパのイメージで、動画を2倍速で見るような印象を持たれがちでしたよね。でも、今のAIは1万倍、100万倍速という圧倒的なスピードでデータを処理して分析するようになっています。
一方で、企業の経営判断や人生の中での重要な選択というのは人間の脳が担う領域なので、「1倍速」でしかできません。本当に価値のある良い判断は、人間独自の時間をかけて初めてなされるものなのです。
森氏:膨大なデータを瞬時に分析し、多様なパターンを認識した上でのAIの判断と、人間が直感によって下す判断には、明確な役割の違いがあるということですね。
茂木氏:おっしゃる通りです。たとえば採用マッチングにおいて、何万人もの候補者や何百社もの企業データを高速で分析し、最適な提案を行うことはAIの得意領域です。しかし、最終的に「この人物を採用する」「この企業に入社する」といった評価や判断は、人間自身の価値関数に基づくものであり、人間が自分の時間で行うしかありません。企業のパーパスや長期的な方向性を考えることも同様で、四半期ごとの売上に左右されない、よりゆったりとした時間の中で思考する必要があります。
森氏:つまり、日々の細かな意思決定(マイクロディシジョン)や膨大なデータ処理をAIに委ねることで、経営層が「良い判断を下すための環境」をいかに構築するかが重要になるのですね。それはある意味で、膨大なデータに追われている経営の現場において「人間」としての力を発揮するためのアプローチとも言えます。
茂木氏:まさにそうで、実はAI開発の最先端でもあるシリコンバレーの人たちって、意外と精神的にも時間的にもゆったりとした環境で過ごしているんですよね。論文の要約などをAIに任せて、日常の煩雑なタスクから解放されることで、本来の思考のための「スペース(余裕)」を持つことができる。こういう感覚こそが、アメリカから豊かなイノベーションが生まれ続ける秘訣なのだと思います。
翻って日本の経営環境を見たとき、果たしてこれと同様の余裕を確保できているでしょうかね。
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