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  • 【教育ビジネスレポート】少子化の影響を受ける教育市場の今後の動向は?/富士経済

  • 2006/07/28 掲載

【教育ビジネスレポート】少子化の影響を受ける教育市場の今後の動向は?/富士経済

【マネジメント】

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富士経済は激変する教育ビジネスに関する実態調査の結果をまとめた。

幼児・小中学生(15歳未満)英会話学校  1,056億円(05年度比28%増)


 富士経済は、2006年5~7月にかけて、教育ビジネスの市場実態調査を行った。この市場は、少子高齢化の進展、団塊世代の退職といった社会環境の変化や、教育基本法改正を始めとする各教育制度の見直し、そしてIT社会の進展、e-Japan計画による教育メディアの発展等により変貌を遂げようとしている。この現状と今後の方向性について分析結果を報告書「教育ビジネスの現状と将来展望2006」にまとめた。

 調査対象は以下の通りである。

(1)教育ビジネスの9分野 但し学校教育、大学および予備校教育を除く
(2)教育ハードウェア市場の5品目
(3)教育関連企業20社


1.調査結果の概要

教育ビジネス9分野:2005年度3兆3,530億円、2010年度3兆5,787億円(05年度比7%増)予測

 2002年度の学習指導要領改正により、学校の学習内容が大幅に削減され、学校教育(公教育)への不信感が増大している。また、2005年現在で出生率1.25人と少子化が進行しているが、子ども一人にかける教育費は増加傾向にある。現在、幼児から小中学生を持つ世代は、夫婦共に高学歴の親が多いこともあり子どもへ教育投資する世帯が増加し、幼児・児童総数は減るものの、幼児向け英会話教室は拡大、幼児・小学生向け学習塾、通信教育(ジュニア)市場も横ばいとなっている。そして、小学校の英語授業必修化(予定)や中高一貫校の人気も少子化によるマーケット縮小に歯止めをかける要因となっている。

2007年には団塊世代の退職が始まり、各企業では人手不足問題が顕れてくる。そこで景気回復とともに各企業は、新卒採用を増やしつつある。ただ、少子化でターゲット人口が減少しており大方の企業は、採用選択の余地が狭くなる傾向にある。今後は企業が人を育て教育していく「コーチング」の重要性が強まっていくと予測する。人材研修サービスは、企業の一人当たりの単価が上昇するスポット的な人材教育への投資の拡大により、対象人数は減少するが市場は拡大していくと見込まれる。一方、20代から40代の社会人は、自己実現のために資格取得に努め、各種専門学校や通信教育で学んでキャリアアップを図っている。

 現役を引退した団塊世代、および身体的にも健康であるアクティブシニア(60代)は、資格取得の学校や通信教育を利用して資格を得たり、憧れであった楽器などを学ぶために音楽教室へ、あるいは趣味の枠を広げるためにカルチャーセンターへ通う人口が増加すると見込まれる。各参入企業は相次いでシニア対象の講座・教室を開設し、市場を牽引している。今後は、ターゲットを若年層からシニア層へ広げることで、通信教育(社会人・シニア)市場は拡大、資格取得学校市場、民間カルチャーセンター市場、音楽教室市場は微増ないし横ばいに推移すると予測する。

 2002年度の健康増進法、2006年度からの介護保険制度による新予防給付や、2008年度から40才以上を対象とする健康指導の義務付けなどにより、健康志向が強まっている。これを背景に、カルチャーセンターでは健康関連講座の人気が上昇している。また、今まで20、30代をメイン顧客としてきたフィットネスクラブは、健康志向の高い団塊世代やシニア層にも枠を拡大させている。今後もこの健康ブームに乗って、体力向上が生涯学習の範疇として注目を集め、フィットネスクラブ市場は更に拡大していくと予測する。

国の目指す2010年「ユビキタスネット社会」(u-Japan構想)に向けて、社会はIT化が進み、各種IT業界はさらに拡大している。しかし、eラーニング元年と言われた2000年を境に、eラーニング市場は縮小しており教育市場のIT化はまだ他と比べて遅れている。いまだに教育現場でPCが活用できない人が多いのもその要因のひとつである。ここへきて、文部科学省による教育のIT化推進などにより、学校でデジタル教科書が使われたり、携帯電話を通じて各種教育サービスコンテンツを配信したり、携帯端末などを利用した学習など、少しずつeラーニングが広がりを見せている。


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