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  • 2023/09/30 掲載

ジャニーズとビッグモーターがやらかした「同じ失敗」、不祥事会見の「NG対応」とは

連載:大関暁夫のビジネス甘辛時評

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故ジャニー喜多川氏による性虐待問題に関してジャニーズ事務所が揺れています。1カ月ほど前には、中古車販売のビッグモーターによる保険金の不正請求問題がメディアの話題を独占しました。芸能事務所と中古車販売では業種はまったく異なりますが、記者会見をはじめ、両社の不祥事対応には共通した問題点がありました。両社とも多数の被害者がいる大事件を引き起こし、そもそも事業を継続するべきか否かが問われる状況ですが、ここでは敢えて両社の不祥事会見にフォーカスし、企業が陥りやすい落とし穴を解き明かします。

執筆:企業アナリスト 大関暁夫

執筆:企業アナリスト 大関暁夫

株式会社スタジオ02代表取締役。東北大学経済学部卒。 1984年横浜銀行に入り企画部門、営業部門の他、新聞記者経験もある異色の銀行マンとして活躍。全銀協出向時にはいわゆるMOF担を兼務し、現メガバンクトップなどと行動を共にして政官界との調整役を務めた。2006年支店長職をひと区切りとして独立し、経営アドバイザー業務に従事。上場ベンチャー企業役員を務めるなど、多くの企業で支援実績を積み上げた。現在は金融機関、上場企業、ベンチャー企業などのアドバイザリーをする傍ら、出身の有名進学校、大学、銀行時代の官民有力人脈を駆使した情報通企業アナリストとして、メディア執筆やコメンテーターを務めている。

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両社の不祥事対応における「共通項」とは何だろうか
(出典元: yu_photo / Shutterstock.com)

なぜ両社の会見タイミングが「マズすぎた」のか

 ジャニーズ事務所とビッグモーター、まず共通するのは、会見のタイミングです。ともに問題発覚時には「だんまり」を貫き続け(ジャニーズ事務所は、社長の動画コメント公表はありましたが、すぐに会見は開かれず)、外部機関による調査報告を受けてようやく重たい腰を上げたという対応でした。

 これは明らかに、取材する立場のメディアやメディア報道を通じて不祥事を知った一般人の印象を悪くするだけであって、先延ばしして良いことは何1つありません。疑惑が報じられた際には、詳細報告は調査後になるとしても、まず会見を開いてその時点で分かっている事実関係を明らかにすることが重要です。その意味で、両社は共通して初動から誤った対応をしてしまったと言えます。

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不祥事対応においては、会見を開くタイミングも重要となる
(Photo/Shutterstock.com)

 次に、調査報告を受けての会見における人選の問題です。これは両社ともに、事実関係を知るポイントとなるキーパーソンを辞任させて会見メンバーから外したという点で、事実解明に向けた姿勢が著しく欠如している、と言われても仕方のない対応であったと言えます。個人的には、この点は今回の両社の会見において、最大の落ち度と言っていいでしょう。

 ビッグモーターに関しては、兼重宏行社長(会見当時)の長男で実質現場トップとして指揮を執っていた宏一副社長(同)が会見に同席することなく、その後も一切姿を見せないという、いわば「雲隠れ」状態を続けています。氏に関しては、業績に関するプレッシャーの元凶であったこと、降格、左遷、解雇などの強権人事の発動、数々のパワハラ行為などが報じられてもいます。事実関係を明らかにして会社としての反省および出直しの姿勢を本気で示す気があるならば、不祥事のキーパーソンとも言える副社長が表に出てこなければ、説得力に欠けると受け止められても仕方がありません。

会見にいなかったジャニーズ事務所の「ある人物」

 ジャニーズ事務所に関しては、さらに突っ込みどころがあります。本件で「キーパーソン」と言えるのは、会見の2日前までビッグモーターの宏一氏と同じく副社長を務めていた、白波瀬傑氏です。白波瀬氏は1975年、同業先勤務時代にジャニー喜多川氏にスカウトされ転職入社し、1982年ごろから長年にわたって同社の広報を担当、その後広報部長を務めています。すなわち経歴だけから見ても、ジャニー喜多川氏の側近中の側近であることが分かります。

 会見に並んだ、藤島ジュリー景子前社長、東山紀之新社長、井ノ原快彦ジャニーズアイランド社長の3人は、口をそろえてジャニー喜多川氏の性虐待について、「噂は聞いたことがあるが、実態は知らない」と公言しています。それが事実であるか否かは別としても、3人が3人「実態を知らない」のであれば、会社として性虐待があったことを認める以上、実態を知っている経営層の人間を同席させ、事実を明確にすることが求められるはずです。白波瀬氏はジャニー氏の側近であったということと同時に、広報担当として長年にわたりメディア対応をしたという立場からも、本不祥事に関し、何か話せることがあった可能性は十分にあり得るのではないでしょうか。

 また、白波瀬氏は広報部長というその立場から、以前からささやかれ、複数メディアのジャニーズ担当者からその事実が証言されている報道抑制圧力(ジャニーズにマイナスな報道をすると、同社のタレントを使わせないなどの圧力行動)についても関わりがあったと言われています。

 ジャニー氏が過去の性虐待裁判で敗訴した際などに、なぜメディアがそれを大々的に取り上げることがなかったのかなどについて、同社が本気で反省し改善する姿勢があるのならば、白波瀬氏を会見に同席させ、洗いざらい氏が知る事実を公表してしかるべきなのです。 【次ページ】会見の「本気度」と「司会」の関係とは

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