- 2006/12/20 掲載
2006年度最も多かったウイルス感染被害はスパイウェアの「ゲーター」--トレンドマイクロ
これによると、ウイルス感染被害において年間最多だったのはスパイウェアの「SPYW_GATOR(通称、ゲーター)」で、2178件の被害件数があったという。それに2位のトロイの木馬型ウイルスの「TROJ_AGENT(通称、エージェント)」の1423件、3位のワーム型ウイルスの「WORM_STRATION(通称、ストレーション)」の1240件が続く。
全体としては日本国内におけるウイルス感染被害報告数が8万8106件と、昨年同時期の件数(4万1749件)に比べ倍増。ウイルスの目的も愉快犯から金銭目当てに、不特定多数から小規模標的型へと変化しており、2005年からさらにその傾向が強まったという。
その結果、亜種の多発、プログラムのモジュール化、ソーシャルエンジニアリング的手法が進み、被害は分散しつつも総報告数の増加につながったのではないかと同社では分析している。
プログラムのモジュール化というのは、最初に侵入したプログラムがインターネットを通じてアップデートを繰り返し、最終的にスパイウェアやキーロガーとなって情報を盗むという仕組み。
また、感染活動としては、ファイル感染型、マスメール型、ルートキットなど、以前には主流であったが数年間あまり利用されなかった技術や手法が改めて使われるようになってきていると指摘する。
そのほか、ゼロデイアタックの日常化やWinnyによる情報流出なども注意するべきとした。
同社では今後の傾向として、目新しい手口というよりは従来の技術や手法を利用し発展させ、組み合わせた攻撃が現れてくると予測している。
順位 | ウイルス名 | 通称 | ウイルスの種類 | 被害件数 | 発見時期 |
1位 | SPYW_GATOR | ゲーター | スパイウェア | 2178件 | 2003年10月 |
2位 | TROJ_AGENT | エージェント | トロイの木馬型 | 1423件 | 2003年 8月 |
3位 | WORM_STRATION | ストレーション | ワーム型 | 1240件 | 2006年 8月 |
4位 | WORM_RBOT | アールボット | ワーム型 | 1074件 | 2004年 3月 |
5位 | JAVA_BYTEVER | バイトバー | その他 | 904件 | 2003年 5月 |
6位 | ADW_WEBSEARCH | ウェブサーチ | アドウェア | 773件 | 2004年 6月 |
7位 | ADW_SHOPNAV | ショップナブ | アドウェア | 751件 | 2004年 9月 |
8位 | WORM_SDBOT | エスディーボット | ワーム型 | 678件 | 2003年10月 |
9位 | ADW_HOTBAR | ホットバー | アドウェア | 592件 | 2003年12月 |
10位 | ADW_NDOTNET | エヌドットネット | アドウェア | 430件 | 2006年 3月 |
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