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- 2007/03/30 掲載
【連載】ナラティブマーケティング:第11回 1970年代からのヒット動向(2/4)
毎週金曜日連載
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1980年代後半のヒット |
また聖闘士星矢も、その背後にはギリシャ神話がモチーフとされていたそうだ。この大きな物語の断片が1話、1話であり、子供たちはそれらを消費することによって、全体の物語を理解しようと躍起になったのである。
おニャン子クラブも大塚氏の言葉を借りれば、「秋元康氏という作り手が、アイドルというものを類型化し、その大きな物語の下に、たくさんの複製品(おニャン子クラブという集合体)を作り、その各々(おニャン子クラブの構成員)を消費させた」のである。言い換えれば、国生さゆりという形態を消費することによって、おニャン子クラブという大きな物語を享受しようとしたのである。
ただし問題だったのは、この大きな物語に実体がなかったことである。ビックリマンチョコレートにしろ、おニャン子クラブにしろ、聖闘士星矢にしろ、大きな物語はそれを制作している作者の頭の中にしかなかった。だから、はじめはおもしろがって、消費を繰り返しても、結局判明する事実は期待したほど大きくないので、そのうちに飽きてしまう。
こうして大きな物語を消費する時代は終わり、90年後半からのポストモダン/動物化の時代に入っていく。この時代は強度の強い形態が消費され、まるで、消費の重点が意味から形態へ再移行したかのように見えた。
次回は動物化とは何だったのか。それがどのように現在のような意味消費の時代に移行したのかを述べていこうと思う。
![]() 中央大学法学部法律学科卒。オリコミ(現オリコム)、講談社、NTTアド、東急エージェンシー、旺文社を経て、現在フリーマーケティングプランナー。現在は、企業のマーケティング業務をアウトソースで請け負い、プランニング、コンサルティング、組織構築、社員教育などを行っている。 |
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NTTコム、ドコモ、オリンパス、東京ガスの研修で採用された大ヒット商品ガイド。「必要なのは才能より技術」であると謳う村山式メソッドのコンプリートガイド |
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