- 会員限定
- 2007/03/30 掲載
【連載】ナラティブマーケティング:第11回 1970年代からのヒット動向(3/4)
毎週金曜日連載
![]() ※クリックで拡大 |
1970年代のヒット |
これらに共通しているのは、形態(機能やスペック)でヒットしていることだ。カップヌードルのデビューを鮮明に覚えているが、銀座の歩行者天国で、カップ入りの即席ラーメンをみんなが透明のフォークで食べていた。その形態を見ただけで、これはすごい発明だとびっくりした。
家庭用ビデオもルームエアコンもインベーダーゲームも一緒で、まさかテレビ番組を家庭で録画できるようになるとは思わなかったし、扇風機のように風を起こすのではなく、部屋の温度自体をコントロールできるようになるとは思わなかったし、喫茶店でゲームを楽しむことができるようになるとは思わなかった。
![]() ※クリックで拡大 |
1980年代前半のヒット |
これらに共通しているのは意味でヒットしていること。ここでのヒットは機能とかスペックではなく、商品やサービスの意味が重視されている。例えばファミリーレストランは、小さい子供も連れて、家族全員で食事をすることを可能にした。ここには家族全員と過ごす楽しさという意味があり、それがささってヒットしたのである。
またレンタルビデオは、自分の嗜好を充たし続けてくれる場所という意味がヒットし、無印良品は、ブランドに左右されないで、買える商品であること、自然水ブームは、自分の身体に本当にいいものを摂取するという意味が受けてヒットした。
1970年から1980年代前半には、このように、消費の重点が形態から意味に変わっていった。そして1980年代の後半には、この連載の第1回で述べたように、大きな物語による消費に移行していく。
関連コンテンツ
PR
PR
PR