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- 2025/07/09 掲載
【Canva】パワポと「ここまで違う」?元「中の人」が語る「日本専用」の工夫とは
Canvaでグロースマーケティングを担当し、新規事業やマーケティングチャネルをゼロから立ち上げ。現在は独立し、国内外の企業のマーケティング支援・コンサルを行う。多言語(日本語・英語・スペイン語)での営業資料・マーケティング・PR向けのデザイン制作に対応。B2B、B2C向けにCanva活用セミナーを提供し、2000人以上に登壇。マーケティングとデザインの力で、ビジネスの成長をサポートします。
【お問い合わせ:https://megumoto.com 】

元「中の人」が語るCanvaの日本上陸
2013年にリリースされたCanvaは、世界中の人々が自由にデザインを作成し、公開できるオンラインのデザインプラットフォームとしてスタートしました。現在では190ケ国以上で利用されており、個人・教育・ビジネスなど多様な用途に広がっています。日本では2017年からサービス提供が始まり、2020年には日本専属チームが発足。筆者自身もその時期にCanvaで業務に携わっていた1人として、日本市場ならではの課題や取り組みの一端を経験しました。
今回は、Canvaが日本市場に対応する上で行ってきたローカライズの工夫や、裏側での改善の積み重ねについて、当時の実体験を交えながらご紹介します。
筆者は、Canvaに入社する前も、外資系広告代理店や海外スタートアップで、海外企業が日本市場へ進出する際のローカライズやマーケティングに携わってきました。その経験から、海外のサービスを日本で展開する際には、単なる「翻訳」では不十分だということを肌で感じてきました。
たとえばWebサイトのテキストのローカライズであれば、1単語ずつ原文に忠実であるよりも、日本のユーザーに自然に届くコピーへと言い換える必要が出てきます。また、使用する写真やイラスト、カラーパレットなども、その国・文化ごとに好まれるトーンが異なり、場合によっては大きく調整する必要があります。
特にデザインの観点では、日本語フォントは欧文フォントと比べて文字数や視認性に違いがあるため、フォントサイズや行間、全体のレイアウト調整が欠かせません。そのまま英語のデザインを日本語に置き換えるだけでは、どうしても不自然さが残ってしまいます。
もちろん、ビジネスのフェーズやリソースによって、どこまで細かくこうした違いに対応できるかは異なりますが、「ローカライズ」と一言で言っても、その中身は非常に奥深いものだと実感しています。
Canvaの場合も、日本人のデザインリードが海外チーム向けに日本の文化や色彩感覚、好まれるレイアウトなどを紹介する資料を作成し、文化的背景をグローバルの人にも理解してもらった上で、日本のユーザーに親しみを持ってもらえるようなテンプレートデザインのローカライズから始まり、UIや機能面のローカライズ、素材の追加が進められてきました。
こうした積み重ねが、Canvaが日本市場で「使いやすい」と感じてもらえる理由の1つになっていると感じています。 【次ページ】日本上陸で「テンプレ3000点」を準備?
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