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- 2025/08/31 掲載
CoreWeaveとはいかなる企業か?OpenAIやトヨタも導入する「GPU特化クラウド」の正体

「GPU特化クラウド」のCoreWeaveとは?独特な「出自」
CoreWeaveは、NVIDIA製GPUを中心とした高密度計算資源をオンデマンドで供給する「AIハイパースケーラー」企業だ。2017年に創業し、当初はイーサリアムの採掘から出発したが、保有GPUを武器にHPC/生成AI向けクラウドサービス事業者へと転身し急伸した。
2025年3月に米ナスダックへ上場し、OpenAIとの最大119億ドル契約やWeights & Biases(W&B)買収で“計算資本+開発基盤”の垂直統合を進めている。
主力は、NVIDIAのH100/H200やBlackwell世代を含むGPU群、超高速ネットワークのInfiniBand網、ベアメタル、Kubernetes/Slurm運用を束ねたAI特化クラウドだ。仮想化を極力排し、学習・推論・レンダリングを素のGPUで走らせる設計でスループットを押し上げる。
2025年2Qの売上は12.1億ドル、受注残3,010億ドル相当、稼働電力約470MW・契約電力2.2GWまで拡大した。さらに、NVIDIA GB200 NVL72の商用提供で運用監視・評価ツールまで自社に取り込み、開発の反復速度を高める“垂直統合”が進む。
エンジニア視点では、SUNK(Slurm on Kubernetes)によりバッチ系とコンテナ系を同一クラスターで可搬に運用できる点が実務の負荷を減らす点が好評を博している。
暗号資産採掘からピボット、ソフトとハードの買収で躍進
正式社名はCoreWeave, Inc.。本社はニュージャージー州リビングストン。2017年設立、2025年3月にNASDAQへ上場(ティッカーシンボル:CRWV)した。創業者はマイケル・イントレイター(現CEO)、ブランニン・マクビー、ブライアン・ヴェントゥーロの3名。出自はコモディティ取引で、2017年に暗号資産採掘のためにGPUを大量調達したのが出発点だ。
2018年の相場崩壊で“計算資産”の転用に賭け、2019年以降はAIやVFX向けのGPUクラウドへとピボット。2023年にVFX向けConductorを買収、2025年にはW&Bを取り込み、ソフトとハードの両輪を握った。
CFOにはグーグル出身のニティン・アグラワル、COOにはオラクルやAWSの経験者サチン・ジェインが就き、急拡大に耐える体制を敷く。
CoreWeaveのスゴさはどこにあるのか? 3つのポイント
CoreWeave社に投資家と開発者が惹かれるポイントは3つある。1つ目は「在庫と工期」だ。NVIDIAの最新GPUを短期に調達し、InfiniBandで束ねる施工能力は、学習開始までの待機時間を減らす。2つ目は「開発体験」で、SUNK(Slurm on Kubernetes)やCKS(CoreWeave Kubernetes Service)、W&Bといった開発基盤により、データ取り込みから学習・評価・推論までを一気通貫で回せる。
3つ目は「資金の厚み」。社債などで先に設備を敷き、顧客契約で裏付ける“先行投資→回収”の型を持つ。これらは大手クラウドの汎用設計と差別化し、用途特化の性能・価格を提示する。
象徴的な例がOpenAIとの119億ドル契約で、供給能力が“需要の証明”として投資家にも伝わる。
- 施工スピードと最新GPU確保
- 開発体験(SUNK/CKS/W&B)の一気通貫
- 前広の資金調達と長期契約の組み合わせ
インフラ層から開発者体験まで、提供プロダクト一覧
製品は大別して計算・ネットワーク・ストレージ・マネージド運用・開発基盤に分かれる。計算はGPU/CPUのベアメタルと仮想ノード、GPUはH100/H200/Blackwellを順次提供。ネットワークはInfiniBandとVPC/Direct Connect、ストレージはNVMeローカルとオブジェクト/分散FS。運用はKubernetes(CKS)とSUNK(Slurm on Kubernetes)で、CI/GitOpsも含む。開発基盤はW&Bで実験・評価・監視を担い、VFXにはConductorを統合する。- GPU Compute(H100/H200/Blackwell)
- CPU/Bare Metal Servers
- Networking(InfiniBand/VPC/Direct Connect)
- Storage(Local NVMe/Object/分散FS)
- Managed(CKS、SUNK)
- Platform(W&B、Mission Control)
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