- 2025/12/04 掲載
DeepSeek の最新オープンソースモデル「DeepSeekV3.2」発表、 GPT-5 や Gemini 3.0に匹敵あるいはそれ以上の性能か?
オープンソースながら性能、コスト比で、GPT-5、Gemini など従来モデル上回る可能性
ビジネス+IT
技術面で大きな特徴となっているのが、同社独自の「DeepSeek Sparse Attention (DSA)」という注意機構。これにより、長文や大容量コンテキストを扱う際の計算複雑性を従来の O(L2) 型から O(L × k) 型へ大幅に軽減し、入力が極端に長くなってもコストを抑えながら高精度な推論を維持できる。特に長文処理や文書解析、対話文脈の維持などで有利とされる。
加えて、DeepSeek-V3.2では大規模な強化学習 (RL) を含むトレーニング戦略が採用されており、単なる事前学習モデルではなく「推論力」と「汎用性」を両立する設計になっている。公開時の論文では、数学オリンピックや情報オリンピックレベルの問題に対して好成績を記録したとの報告もある。高性能版「Speciale」では、いくつかのベンチマークで同業他社の最先端モデルに匹敵、あるいは上回る結果も示されている。
また、DeepSeek-V3.2は完全オープンソース(MITライセンスなど)で公開されており、モデル重みのダウンロードとローカル実行、あるいは API 経由での利用も可能。これにより、大規模商用モデルへの依存を減らし、研究者や開発者が自由かつコスト効率良く先端AIを扱える環境が整ったことになる。
この公開を巡っては、オープンモデルながら GPT-5 相当あるいはそれ以上の実力を持つという指摘が多く、閉鎖的な大手AI企業のプロプライエタリモデルを牽制しかねないインパクトがあるとの報道も出ている。
DeepSeek-V3.2の公開は、オープンソースAIの性能水準を再定義する可能性を持つ。高精度かつ高効率でありながら、誰でもアクセスできる点は、研究・開発の敷居を大幅に下げる。一方で、こうした高性能オープンモデルの公開は、誤用リスクやセキュリティ/倫理的配慮、悪意ある用途への懸念も伴う。特に強力な推論能力を持つモデルが無制限に流通することの管理・ガバナンスは今後、注目すべき論点となるだろう。
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