• 2008/12/08 掲載

「知財分野で訴訟は避けられない」シマンテック、国際訴訟支援する電子情報開示ソリューションを提供

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シマンテックは8日、セキュリティ、フォレンジック分野に特化したソリューションを手がけるJi2と協業し、日本国内での企業向け法的証拠の電子開示に関するコンサルティングサービスを提供すると発表した。
 シマンテックとJi2は、本協業を通じて、法的な対応が必要になった企業に対して、メールシステムやサーバー、データベースなどに点在するデータの洗い出しや監査を行うサービスを開始する。これにより、知財データなど法的証拠として有効性のあるデータを迅速かつ的確に収集できるという。

 Ji2は、法的証拠の収集および分析において求められるフォレンジックノウハウを持つ企業。フォレンジックでは、たとえば、削除、変名、隠蔽された電子メール、文書データ、インターネット接続記録など、「一般ツールで調査可能なデータの下にある膨大なデータを調査(Ji2 代表取締役社長 藤澤哲雄氏)」し、財務・会計部門、送付部門、IT情報管理部門、法務・知財部門などで利用する。

 従来は、HDDなど物理機器からデータを解析する必要があったが、Ji2の製品「Encase」(開発はガイダンスソフトウェア社)などによる調査は、ネットワーク経由でデータの調査を行える。動作が軽快で、業務時間中に利用できるほか、ネットワーク経由の遠隔地なども調査対象にできるという。藤澤氏は、「RAMが大容量化している中、IM(インスタントメッセンジャー)などはHDDを使わない状況が増えている」と指摘。調査対象のデータは、HDD以外にも、RAMやレジストリなども調査の対象になる。

 こうしたソリューションが生まれた背景として、藤澤氏は2006年12月に米国で改正された「アメリカ連邦民事訴訟規則FRCP(e-Discovery法)」を挙げる。米国などの訴訟において、電子情報開示の退治となるデータに、電子メール、IMのログファイルなど、あらゆるデジタルデータが対象になった。

 現在、米国では「知的財産分野で訴訟は避けられない(藤澤氏)」状況。その時、電子証拠を提示できないことは、大きなコストになる可能性があるという。「物作りのためのノウハウである“知財”が、将来の日本の大きな武器になる」。米国は訴訟の数は多いが、9割が和解しており、「和解のとき、いかに有利に交渉を進めるのかが重要」とした。

 今回提供を開始するサービスのうち、e-Discoveryコンサルティングでは、まず、シマンテックが、記録管理、データの特定と保全を実施。その後、Ji2がデータ収集、プロセスの見直しをコンサルティングする。その後、シマンテックがインフラの構築を実施する。シマンテックは、6年前からコンプライアンス、アセスメントのコンサルティングサービスを展開しており、この一環として提供される。

 シマンテックとJi2のサービスを利用するメリットとして、藤澤氏は「訴訟対応費用の低減」と言い切る。手作業による膨大なデータ収集、あらゆるデータを処理する必要があった従来よりも、e-Discoveryに要するコストを3割削減できるという。

 「不景気になれば、日本企業が訴訟リスクにさらされる可能性がある」と、フォレンジック市場、e-Discovery市場について、強気の見通しを示した。

 価格は、フォレンジックに絞ったコンピュータフォレンジックコンサルティングが、100万円から。e-Discovery法に対応したe-Discoveryコンサルティングが、1,000万円から。Ji2としては、前者が年間50件くらい、後者は平均単価5,000万円前後で5件程度の販売を見込む。「まずは海外拠点を持ち、Forbesに入る大企業をターゲットとする(藤澤氏)」という。

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