- 2026/04/09 掲載
まさかの現実…万博級「ネコ経済○兆円」の不都合な真実…「3つの課題」が悲劇を生む
「猫が幸せ、私も幸せ」というスローガンのもと、猫の行動や身体構造に特化した「猫工学」に基づく製品開発を牽引。猫用爪とぎや爪切りで国内シェアNo.1を誇るブランドを築き上げ、グッドデザイン賞を受賞した「ウェットフードスプーン」を世に送り出すなど、猫視点に徹したモノづくりの第一人者。また、猫専用の防災マニュアルの配布や、売上の一部を保護活動へ寄付するCSR活動を継続しており、家庭内のケアから社会的な福祉まで多角的に猫のQOL向上を追求する、猫用品市場の権威として高い信頼を得ている。
大阪・関西万博に匹敵する「猫の経済効果」
日本における猫の経済効果、いわゆる「ネコノミクス」は約3兆円規模と試算されています(関西大学・宮本勝浩名誉教授)。この数字は、2025年の大阪・関西万博がもたらす経済効果に匹敵する水準です。また、矢野経済研究所「ペットビジネスに関する調査(2025年)」によれば、2024年度の国内ペット関連市場規模は店頭販売額ベースで1兆9,108億円に達する見込みとされています(図)。近年、日本では犬より猫のほうが飼育数は多くなっており、猫を中心とした市場は確実に拡大しています。
猫が「家族」として大切にされるようになった今、その命を支える社会の仕組みや飼い主を支援する体制が、経済の伸びと同じ速度で整っているとは言い切れません。
市場の拡大という明るい話題の陰には、私たちが見落としてはならない課題があります。ここでは3つの課題について解説しつつ、これからの市場のあり方を考えてみたいと思います。
課題1:殺処分「10年で94%減」も…
まず1つ目は殺処分です。環境省の統計によると、2024年度の猫の殺処分数は4866匹でした。10年前の7万9745匹から大幅に減少(約93.9%減)しており、多くの自治体、保護団体、ボランティア、そして飼い主の努力が確実に実を結んできたことが分かります。それでもなお、ゼロには至っていません。さらに内訳を見ると、保健所に持ち込まれる野良猫の約80%、そして殺処分された猫の約53%が、生まれて間もない子猫です。これから生きる時間をほとんど持たない小さな命が多く含まれているという事実に、胸が締めつけられます。
また、引き取られる猫の約62%は飼い主不明の個体だとされています。屋外で繁殖し、行き場を失う猫が後を絶たない現状があります。
3兆円という経済規模の広がりと、年間数千匹単位で失われる命。この2つが同時に存在していることを、私たちはどう受け止めるべきでしょうか。
こうした課題に対し、多くの企業が社会貢献活動に取り組んでいます。しかし、単発の寄付やイベントだけでは、現場を支え続けることは難しいのも現実です。私たちは、支援を「特別な善意」に頼るのではなく、日々の暮らしの中に自然に組み込めないかと考えてきました。
当社では2013年より、会員登録1名につき5円(ご縁)と、特定商品の売上の一部を地域の猫団体へ寄付する取り組みを続けています。決して大きな金額ではありませんが、長く続けることで、安定した支援につながると信じています。
現場で活動する団体の方々から伺うのは、医療費の重さです。不妊・去勢手術や治療を継続するためには、息の長い支えが欠かせません。企業としてできることは限られているかもしれません。それでも「続けられる仕組み」を持つことには、確かな意味があると感じています。 【次ページ】課題2:多頭飼育・ネグレクトの闇
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