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  • 2023/05/26 掲載

「新宿東口の猫」の広告効果も計れる? 広がる「裸眼3D広告」が変えた、屋外広告の常識

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2021年、新宿に現れた巨大なネコで日本でも広く知られるようになった裸眼3Dディスプレイ。裸眼でも映像が飛び出して見える屋外広告は多くの人の目を引いた。現時点の日本では設置場所がまだ限られているが、中国では政策の後押しもあり、すでに140カ所以上で活用されている。中国ではテレビやラジオ、紙媒体の広告市場が縮小する中、この3D広告がけん引し、屋外広告はオフライン広告で唯一成長、2021年で約1.4兆円まで市場が拡大している。従来の屋外広告の最大の難点であった効果測定を可能にしつつあるなど、演出の派手さだけじゃない、裸眼3D屋外広告の本当の効果と活用実態とは。
執筆:ITジャーナリスト 牧野 武文

執筆:ITジャーナリスト 牧野 武文

消費者ビジネスの視点でIT技術を論じる記事を各種メディアに発表。近年は中国のIT技術に注目をしている。著書に『Googleの正体』(マイコミ新書)、『任天堂ノスタルジー』(角川新書)など。

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日本では「新宿東口の猫」で注目された裸眼3D屋外広告。進化を遂げている中国での活用事情とは
(出典:クロススペース プレスリリース)

東京でも広がる「3D広告」、なぜ裸眼で立体に見える?

 東京のあちこちに不思議な屋外広告が登場している。新宿、渋谷、表参道などに設置されている屋外広告ディスプレイでは、キャラクターや商品が画面から飛び出てくる。特殊なメガネもゴーグルも必要なく、裸眼で3D効果がある。このような裸眼3D屋外広告が2021年から広がりを見せている。

東京の主な裸眼3Dディスプレイ
名称 場所 運営 設置時期
クロス新宿ビジョン 新宿駅東口 クロススペース 2021年7月
OMOSANシンクロ 表参道 ヒット 2021年10月
ハビウル渋谷 渋谷 アビックス 2021年11月
GREEN SPRINGSビジョン 立川 グリーンスプリングズ 2021年12月(期間限定)
3D BIGBOSSビジョン 渋谷 ガーデン 2022年3月
東京を中心に、日本でも裸眼3D屋外広告が増えつつある
(出典:各種報道を整理)

 この3D広告が裸眼で立体に見えるカラクリには2つのポイントがある。

 1つは、立方体の2つの側面を利用したディスプレイになっていること。コンテンツは3Dモデルで制作しておき、これを立体の2つの側面に投影する形で映像を制作する。そのため、特定の場所から見ないと立体効果は得られず、ゆがんだ映像が見えることになってしまう。ディスプレイを設置する時に、どの場所から見せるのかを考慮した設計が重要になる。一般的には交差点の横断歩道前や待ち合わせスポットなど、人が滞留する場所から見た時に3D効果が得られるようにする。

 もう1つのポイントが騙し絵効果だ。あらかじめディスプレイの端を使用せず、ビルの壁面であるかのように見える映像を表示しておく。そこはディスプレイではなく、ビルの壁面なのだと錯覚を起こし、飛び出すオブジェクトをその部分をオーバーラップするように表示する。これで飛び出し効果が強調され、本当にオブジェクトがディスプレイの外に飛び出てきているのではないかと錯覚することになる。

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裸眼3Dディスプレイのコンテンツは、3Dモデルを使って制作し、最終的に2つの側面に投影した映像を生成する。そのため、一定の方向から見ないと立体効果が得られない
(出典:ADHaiwell公式サイト)

ブームの起因は韓国デザイン企業の公共アート

 このような裸眼3Dディスプレイを始めたのは、韓国ソウル市にあるエンターテイメント企業「SMタウン」本社前のディスプレイだ。この裸眼3Dディスプレイを使って、2020年4月に「WAVE」という公共アート展示が行われた。巨大な水槽の中で水が波打つ様子が3Dで再現された。

2020年4月に登場した世界最初の裸眼3Dディスプレイ。韓国ソウル市のSMタウン本社前にある。韓国のデザイン企業「d’strict」が公共アートを展示した
(出典:d’strict公式YouTubeチャンネル)

 このメディアアートを制作したのは、韓国のデザイン企業「d’strict」。2021年7月にはニューヨークのタイムズスクエアを渓谷に見立て、ビルから滝が流れてくる「Waterfall-NYC」を、2022年8月には3Dディスプレイで映像を再生し、そこにパフォーマーの動きをリアルタイムで合成するという不思議な公共アート「CITY」を展示している。

ニューヨークのタイムズスクエアで展示された公共アート「CITY」。リアルタイムのパフォーマーの動きと3D映像をシンクロさせるという高度な演出を行っている
(出典:d’strict公式YouTubeチャンネル)
【次ページ】すでに140カ所超、中国でさらなる進化を遂げる3D広告が面白い

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