• 2006/08/31 掲載

ライブドアのその後、2006年9月期の第三四半期の連結業績から探る

【会計】

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証券取引法違反によるホリエモンの逮捕、上場の取り消し、余儀なくされた子会社の売却など、2006年上期、市場を混乱させたライブドアが8月30日、2006年9月期の第三四半期の連結業績を発表した。その発表内容から、その後のライブドアの動向を探った。


最終損益は大幅な赤字転換

 ライブドアは、30日、2006年9月期の第三四半期の連結業績を発表した。売上高は、前年比94.6%増の1017億円、営業利益は0.9%減の61億円、最終損益は64億円(前年は46億円の黒字)の赤字だった。
 大幅な売上高に寄与したのが、コマース事業とファイナンス事業。
 コマース事業は、ライブドアオートや通販大手セシールの加入、弥生の業績回復などにより、売上高は前年比415.9%大幅増の377億円、営業利益は46.6%増の13億円だった。

ファイナンス事業は、投資銀行部門の引き受け、MSCBの売却などにより、売上高は247.4%増の434億円、営業利益は39.9%の81億円だった。

一方、大幅に赤字に陥った最終損益の要因は、ライブドア證券のPTS業務(私設取引所:本年7月カブドットコム証券が日本で初のPTS業務の認可をうけ、夜間取引の開始を発表)の許可申請の取り下げによる伴う損失が10億円、西京ライブドア銀行許可申請の取り下げに伴う損失38億円など、特別損失が122億円も計上されたことが響いた。これらの大部分は一連の騒動による影響を受けている。


真の対処すべき課題とは

 今後の対処すべき課題として、ポータルサイトの構築・運営、金融ビジネスへの取り組み、経営資源の効率的な活用、経営管理体制の再構築の4つを挙げている。
 ポータルサイトの「livedoor」は、以前はヤフーのトップページとうりふたつと批判されていたがリニューアルにより独自色を打ち出している。また、業務提携したUSENのGyaOによって昨今注目を集める動画の強化にも乗り出す。

一方、金融ビジネスは、インターネットと金融との親和性の高さから積極的に展開していくという。しかしながら、裁判の結果、證券取引法違反が確定した場合、出資比率の引き下げを余儀なくされ、連結子会社から除かれるリスクを抱えている。

 経営資源の効率的な活用に関しては、M&Aでの拡大路線を変更し、既存ビジネスへの経営資源の集中、内部リソースの有効活用ができない場合は、M&Aのみではなく、業務提携をはかっていくという。

経営管理体制の再構築は、内部統制構築のためコンプライアンス強化委員会を設置し、社員全員にコンプライアンス意識の徹底を図るという。

 しかし、本当に対処すべき課題は失った信頼の回復だろう。これ失くして業績をあげることを不可能。不祥事を起こした企業の信頼回復は長き時間がかかる。しかし、雪印乳業など回復しつつある企業もあり、決して不可能なことではない。今後の動向に注目していきたい。    

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