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  • 2015/11/04

アプリでスポーツ業界は変えられるか? Player! を送り出した尾形太陽氏インタビュー

「Player!」は、幅広いテーマのスポーツコンテンツをベースに、興味や利用シーンに応じて、いつでもどこでもスポーツを体感できる無料のライブ共有型スポーツニュースアプリだ。2015年4月のサービスインから着実に利用者が拡大し、非ゲーム領域のiPhone限定公開アプリでダウンロード数が1万件を超えるほど人気を博している。この9月にはスタジアムのようにライブスポーツの熱狂を共有できるLIVE機能を追加し、外部SNSと連携をすることでコミュニケーションを楽しめるようになった。このPlayer! を開発しているookamiの創業者、尾形 太陽氏に、起業の経緯からマネタイズ方法論、今後の展開などについて話をうかがった。

マネタイズは慎重に。サービスを充実させてからスタートさせる

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ookami 代表取締役共同経営者 Player! TEAM 尾形 太陽氏

──これまでの経歴と起業のきっかけについて教えてください。

尾形氏:子供の頃から、ずっとサッカーに熱中しており、Jリーグを目指すクラブに在籍をしていました。そのためスポーツ関係の事業にも興味があり、早稲田大学時代に一度起業し、事業家としての経験を積みました。大学卒業後は孫 正義社長にあこがれていたこともあり、ソフトバンクに入社しました。ただ、いずれ自分で本格的に事業を起こしたいと思っていたこともあり、それならば早いうちにと、入社して1年が過ぎた2014年4月からookamiを立ち上げました。

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Player! の登録画面。自分の好きなスポーツジャンルを選んでニュースを集められる
──1年で会社を辞めて起業するには、かなりの決断力を要したと思いますが、何か後押しになったものがあるのでしょうか?

尾形氏:後押ししてくれる仲間がいたことが大きかったですね。大学時代からスポーツ分野における情報革命の可能性を考えていました。弊社には共同代表がおり、彼がシリコンバレーから帰国したタイミングで事業を開始しようという話になり、当時の仲間が数名集まってスタートしました。

──Player! の具体的な内容と事業ドメインについて教えください。

尾形氏:事業ドメインは「スポーツ×IT」です。ミッションは、情報技術によってスポーツ界を良くすること。Player! を開発した理由は、世界中に散らばるスポーツ情報をしっかりと整理し、最適な状態で分配できる仕組みを作りたいと考えたからです。思想的にはキュレーションサービスに近いかもしれません。

 Player! は、サッカーや野球などのメジャースポーツから、オリンピック競技、その他のアマチュアスポーツまで、幅広いテーマから興味やシーンに応じて、いつでもどこでもスポーツを体感できるニュースアプリです。Player! 内でつながった友人や著名人と、ライブの試合経過やスコア、コメントを共有したり、1日10,000件以上のニュースから厳選された記事やコメントを無料で閲覧・保存できます。

──ニュースアプリはマネタイズに苦労しているものも多いですが、Player! はその辺り、どう考えていますか?

尾形氏:実は、まだ収益化を図っていませんが、広告とECによってマネタイズできると考えています。スタジアムに多くの広告が入ることからも理解できますが、スポーツと広告の親和性は高いです。我々のサービスはタイムライン形式で、広告をすぐに入れられる状況です。

 一方、ECについては中・長期的な視野で考えています。情報を分配する最適なロジックとノウハウがネットで蓄積されてきたので、モノに関してもうまく流通させられる仕組みが求められています。これまで量販店で購入できたスポーツ用品を、ネット購入へとシフトできる場所、プラットフォームを作る必要があると考えています。

──なぜスポーツ分野のECに可能性があると考えられたのでしょうか?

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Player! のニューストップ画面。サッカーや野球などが人気だという
尾形氏:その理由は2つあります。1つはスポーツ市場では小売業が2兆円規模で圧倒的に大きく、ECはまだしっかりとリーチしきれていないこと。もう1つは、潜在需要があるからです。たとえば、多くの人はサッカーのスパイクを店頭で買いますが、大人になれば履く靴のサイズも同じです。本来ならば店に行く必要はありません。これまで習慣化されていたため足を運んでいるだけです。しかも店には希望のサイズやカラーがないこともあります。そう考えるとECで十分にやっていけると思います。

──なるほど。ECにシフトしていないのは習慣的な要因が大きいということですね。

尾形氏:スポーツ界はIT化が大変遅れていると感じています。もちろんチャネルとしてECを用意しているメーカーがほとんどですが、まだサービスとしてはこれから。消費者の習慣を改善させることは非常に難しくてタフな問題です。解決策は、良いサービスを愚直に提供することに尽きると思います。それにより競合が生まれ、多くの選択肢ができる。スポーツ界は保守的なので、体力勝負というか、やり続ける体力をつけることが大事です。そのため、すぐにECに着手しようとは考えていません。しっかりとユーザーの動向をつかんで進出したいと考えています。

──こうしたマネタイズに関して、具体的なスケジュールはあるのでしょうか?

尾形氏:正直に言うと、できるだけ先延ばしにしたいと考えています。サービスを改善し、ユーザーを集めるサイクルを可能な限り長くしたいからです。「SmartNews」さんなどの戦略に近いかもしれません。資金調達も、ユーザー獲得のサイクルに含まれる形にしたいと考えています。

 そういう戦い方が、良いコンテンツを作るコツだと思います。収益化にスイッチすると、どうしてもサービスに手が回らず、リソースが分散してしまいます。マネタイズの準備は行っていますが、市場環境に左右されるため、いつスタートするかは決めていません。今年度中に着手できれば、というイメージです。

【次ページ】 スポーツのライブストリーミングで差別化を図る

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