• 2022/12/01 掲載

物価目標は未達、緩和継続で金利の低位抑制が重要=野口日銀委員

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[東京 1日 ロイター] - 日銀の野口旭審議委員は1日、秋田県金融経済懇談会であいさつし、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作=YCC)で10年債金利を抑制し続ける理由について、日本経済が2%の物価目標を安定的に達成できる段階ではないためとし、金融緩和を継続する重要性を指摘した。

10月に1982年2月以来の高い伸びとなった全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)について、「諸外国ほどではないにしても、大きく上昇している」とする一方、輸入価格の上昇によるものと説明。金融政策の方向性を決める上で重要となる、国内のマクロ経済要因に基づく「すう勢的なインフレ率」はなお低い水準にあるとした。

野口委員は、ドイツなど欧州各国で長期金利が急激に上昇したことに触れ「仮に同様の動きが日本に生じていたとすれば、日本経済に悪影響を与えることは明らかだ」と指摘。「長期金利の大幅な上昇は日本経済への大きな下押し圧力となり、物価目標の達成をより困難にする」と述べた。

<物価高の二次的波及こそ必要>

野口委員は、物価と賃金が相乗的に上昇していくことの重要性を強調した。「適正な物価上昇を安定的に達成する上では、目標とするインフレ率を上回る賃金上昇が重要だ」と述べた。賃金上昇の促進に向けて現状の金融緩和を粘り強く継続し、失業率や有効求人倍率をさらに改善させていく必要があるとした。

米欧の中央銀行は高インフレが賃金上昇につながり、さらなる物価高を招く事態に対処するため、金融引き締めに動いている。野口委員は「インフレの基調がいまだ低い日本では、インフレ予想の上昇が賃金上昇に結びつくという二次的影響こそが今まさに必要とされている」と指摘。現行の金融緩和の継続はそのための「最も基本的な要件」だと語った。

10月にかけて進んだ円安については「為替変動があまりにも急激に生じた場合には、各経済主体の調整コストを増加させるという不利益を生む」と述べ、金融・為替市場の動向やその日本経済・物価への影響を引き続き十分に注視していく必要があるとした。

(和田崇彦 編集:久保信博、青山敦子)

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