- 2023/01/24 掲載
米FRB、MBS撤退早期を カンザスシティー連銀総裁が提言
ジョージ総裁の勤務は1月31日まで。同日から2日間の日程で開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)には参加しない。FOMCに向け当局者が政策について公の場で発言することを制限する「ブラックアウト」期間に入る前の21日にロイターのインタビューに応じた。
その中で、FRBの債券ポートフォリオには含める資産は米財務省が発行するものに限るとの原則にFRB当局者は同意しているとしながらも、そうした状態に至るまでの計画はまだ策定されていないと指摘。「ある日突然(MBSから)手を引くと言うわけにはいかない」と述べた。
FRBは現在、約8兆ドルの債券ポートフォリオの一部として約 2兆6000億ドルのMBSを保有。MBS市場全体の約4分の1に相当する。ジョージ総裁はこの割合について、FRBの適切な存在感の度合いについて疑問を投げかけるほど「巨大」との考えを示した。
FRBは昨年6月、バランスシートの縮小に着手。以来、MBSの保有残高は約670億ドル(約2.5%)減少した。ただ、このペースではFRBは何年にもわたり住宅ローン市場に関与し続けることになり、複数のFRB当局者は最終的には保有MBSの売却が必要になるとの考えを示している。
ジョージ総裁は、昨年の短期金利の急ピッチの引き上げの中で、FRBが長期証券市場からゆっくりと撤退することで、イールドカーブにどのような影響が及ぶかという点で、FRBのバランスシートは「あまりにも注目されていない」と感じていると指摘。
自身は具体的な計画は持っていないとしながらも、FRB当局者は計画を策定し始めなくてはならないとし、「後回しにせず、早期に実現するためにはどうするか」ということが重要だと語った。
このほか、FRBはどのような事態に債券を購入するのか、購入によりどのような影響が経済に及ぶのか、明確なガイドラインを策定する必要があるとの考えを示した。
その上で、FOMCメンバーを務めた後も、債券購入が資産価値を膨らませる以上の影響力を持つとは確信していないと指摘。FOMCは将来的に量的緩和(QE)をどのように管理するか考えなければならないとし、「経済学者はQEという手段を理解するために一段と多くの仕事をしなければならない。その結果について、あまりに注意が払われていないように感じる」と述べた。
ジョージ総裁は65歳。2011年10月にカンザスシティー地区連銀総裁に就任した。
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