- 2023/01/27 掲載
同一県内で再編相次ぐ=横浜銀、神奈川銀を買収へ
横浜銀行が、第二地方銀行の神奈川銀行(横浜市)を買収する方針を固めた。この半年間だけでも、同じ県内の有力地銀や金融グループが第二地銀を買収して傘下に収める形での再編の発表が全国で相次いでいる。経営基盤が脆弱(ぜいじゃく)な第二地銀は当面、地銀再編の「主役」になりそうだ。
横浜銀・神奈川銀以外では、昨年9月に長野県の八十二銀行と長野銀行が、同11月に九州の地銀の3行を抱えるふくおかフィナンシャルグループが福岡中央銀行との統合をそれぞれ決めた。いずれも第二地銀が経営体力のある銀行・グループ傘下に入り、生き残りを模索する構図だ。
地銀と第二地銀の統合には、事業のすみ分けがしやすいという利点もある。横浜銀は大企業・中堅企業向けの融資や営業を、神奈川銀は中小企業向けをそれぞれ得意とし、「顧客層が異なる部分も多く、互いの強みを生かせる」(関係者)という。横浜銀はTOB(株式公開買い付け)を通じて完全子会社化した後も、神奈川銀の店舗の名称は変更しない方向だ。
一方、第二地銀のように規模が小さい地銀にとっては、負担が重いシステム投資は頭の痛い経営課題だ。政府はこうした費用を補助する制度を設け、再編による経営改善を後押ししているが、申請期限は2026年3月末まで。新たな収益源の掘り起こしが急務となる中、再編を選ぶ地銀は今後も増えそうだ。
【時事通信社】 〔写真説明〕横浜銀行(左)と神奈川銀行の看板=26日、横浜市
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