• 2023/02/19 掲載

為替安定へ政策対話有用=河合正弘東大名誉教授

時事通信社

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国際金融などが専門の河合正弘東京大学名誉教授は変動相場制に関する書面インタビューに応じ、為替相場安定のため他国との政策対話が有用との認識を示した。主なやりとりは次の通り。

―変動相場制移行の意義は。

各国が米ドルに対し自国通貨を安定化させ、米国がドルを金の価値に安定化させた「ブレトンウッズ体制」の崩壊を決定的にした。1960年代末から国際的な短期の資本移動が活発化する中、先進諸国は固定相場維持に向けた自国通貨売り介入が国内のインフレ圧力を高めるため、固定相場制はマクロ経済運営の足かせになると判断した。

変動相場制移行で、自由な資本移動の下でも金融政策を国内経済の安定化に振り向けられ、インフレ制御やマクロ経済管理が可能になった。一方、為替は市場参加者の思惑や投機で、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を超えて大幅に変動するようになった。

―日本経済への影響は。

プラスとマイナスの両面がある。石油危機や米景気の変動、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策変化などの海外のショックに対し、為替の変動は日本経済への影響を調整する「緩衝材」の役割を果たす。日銀が独立した金融政策を通じ物価や実体経済を安定化できる点もプラスだ。一方、急激に円高や円安に振れて長期化すると、貿易や企業行動をゆがめるという点はマイナスだ。

―為替の過度な変動への対応は。

為替の過度な変動を抑制する枠組みづくりは容易ではない。日本はユーロのような大きな単一通貨圏に属しておらず、為替の急激な変動は経済に多大な影響を与える。アジアに単一通貨圏をつくることは現実的とは言えないが、東アジア地域で為替の急変動を抑制する枠組みをつくることは検討に値する。政策対話を始めることは有用で、為替安定に向けた第一歩になるだろう。

【時事通信社】 〔写真説明〕河合正弘東京大学名誉教授(環日本海経済研究所提供)

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