- 2023/02/27 掲載
午後3時のドルは小幅安136円前半、米利上げ長期化観測で底堅い
ドルは朝方に一時136.58円付近と、12月20日以来2カ月ぶりの高値まで上昇。 その後は短期筋による戻り売りがでたほか、仲値にかけては実需のドル売りフローも出たとみられ、136.00円付近まで下落した。
その後、ドルは押し目買いに支えられ、136円前半で膠着状態となった。楽天証券のFXディーリング部、荒地潤氏は「来週の米雇用統計の結果を見極めるまでは、ドルは底堅さを維持し、上値を探る展開となるのではないか」との見方を示す。
午後には、参議院での植田和男次期日銀総裁候補の所信聴取が行われたものの、概ね衆議院での発言を踏襲する形となったことから、相場への反応は薄かった。
植田氏は参議院議院運営委員会で、金融緩和を見直す場合の具体的手段について「考えていないわけではない」と述べる一方、基調的な物価の改善が達成されるまで現行の金融緩和が適当との考えを改めて示した。
前週末発表された1月の個人消費支出(PCE)価格指数は前月から伸びが加速するなど、インフレの高止まりを示す内容となった。これを受けて、米連邦準備理事会(FRB)が金利を長期にわたり高水準にとどめるとの見方が強まり、米長期金利は3.94%台と、昨年11月以来の高水準で推移している。
ステート・ストリート銀行の東京支店長、若林徳広氏は、「昨年のようなインフレ高止まりによる米金融引き締めを背景としたドル買いの相場になりつつある」とし、「137円近辺を抜けるかどうか注目だ」との見方を示した。
今週にはユーロ圏の消費者物価指数(HICP)の発表が控えており、予想よりも弱い内容となった場合は、欧米の金融政策の差が意識されやすい。一方で、強い内容となった場合でも、欧州金利の上昇につれて、米金利上昇圧力が高まりやすく、「いずれにしろドル買いに傾く可能性がある」(国内金融機関)との声が聞かれた。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 136.33/35 1.0538/42 143.69/73
午前9時現在 136.41/43 1.0551/55 143.95/99
NY午後5時 136.46/49 1.0546/50 143.91/95
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