中銀はインフレ抑制の任務完遂を、70年代の過ち回避必要＝ＢＩＳ

[ロンドン ２７日 ロイター] - 国際決済銀行（ＢＩＳ）は四半期報告書で、中央銀行はインフレを抑制する任務を完全に成し遂げる必要があると指摘し、時期尚早にインフレへの勝利宣言をして１９７０年代の過ちを繰り返さないよう呼びかけた。

利上げを停止した後に利下げ局面でインフレが高進し、痛みを伴うほど高水準への金利引き上げを余儀なくされた７０年代の状況を繰り返さないことが重要だと強調した。

クラウディオ・ボリオ金融経済局長は、報告書の中で「中央銀行は現段階で最も重要なことは仕事を成し遂げることだと非常に明確にしている」とし、「早過ぎる勝利宣言にならないよう、慎重な姿勢を取ることが適切だ」と述べた。

世界の金利は昨年、過去数十年間で最も速いペースで上昇。多くの主要国でインフレ率は下がり始めているものの、中国経済の再開や賃金上昇圧力を背景にエネルギー・食品価格が大きく変動しており、高水準のインフレが定着する可能性が懸念されている。