- 2023/03/17 掲載
ECB、0.5%利上げ決定 物価対応優先 市場の緊張「注意深く監視」
[フランクフルト 16日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は16日の理事会で0.5%ポイントの大幅利上げを決定した。利上げは6会合連続。金融市場の混乱で世界的な銀行危機への懸念が高まる中でも、インフレ対応を優先させた。
ラガルドECB総裁は理事会後の記者会見で「インフは過度に長期間、高すぎる水準にとどまる見通し」という認識を示し、「理事会は現在の市場の緊張を注意深く監視し、ユーロ圏の物価安定と金融安定を維持するために必要に応じ対応する用意がある」と言明した。
ユーロ圏域内の銀行の資本と流動性は堅固とも強調した。
ECBは声明で「このところ見られている緊張は、インフレと成長に関する基調的な評価を巡る一段の不確実性が存在していることを示している」と指摘。「不確実性が高まる中、インフレ見通しの評価で決定される理事会の政策金利決定において、データに依存するアプローチの重要性が増している」とし、今後の動きは入手されるデータ次第になるとの姿勢を示した。
ラガルド総裁は「不確実性が低下し、われわれの基本シナリオが維持されれば、さらに多くのことに対応しなければならない」としつつも、「基本シナリオが維持される」というのは「大きな注意書き」とし、現時点で将来の金利の道筋を決定するのは不可能という認識を示した。
ECBはまた、ユーロ圏のインフレ見通しを下方修正し、今年は5.3%、24年は2.9%、25年は2.1%とした。一方、今年の成長率見通しは1%とし、従来予想の0.5%から引き上げた。いずれも現在の金融市場における混乱前の状況を踏まえた予測。
ラガルド総裁は成長見通しを巡るリスクは現時点で下方に傾いていると指摘した。
最新ニュースのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR