英金融監督当局、企業上場規則見直しへ　ＮＹとの競争意識

[ロンドン ２９日 ロイター] - 英金融行為監督機構（ＦＣＡ）のニキル・ラティ長官は２９日、企業の上場でロンドンがニューヨーク（ＮＹ）との競争に打ち勝つため、規則の見直しに取り組むと表明した。

スタンダードとプレミアムの２区分の上場制度を単一の制度・要件に置き換えることを検討するとしている。

英半導体設計会社アームがＮＹ市場のみの上場を決めたことで見直しを求める声が高まっていた。

ラティ氏は講演で「こうした決定を単に嘆いたり、いくつかの規制上の変更で結果が変わると主張したりするのではなく、エコシステム全体についてこれまで根本的な議論がなされてこなかったことを認識することが重要だ」と指摘。ＦＣＡが上場制度の改革に向けた計画を公表すると述べた。

スタートアップ企業にとって課題となっている、上場条件として企業に３年間の財務実績を求めることの廃止を提案するとした。

また、創業者が会社の支配権を保持することができるデュアルクラス株式構造に対する寛容的なアプローチも提案される見込み。

さらに、大規模な企業取引や、アームのオーナーにとって問題になったとみられる関連当事者取引に対する義務的な株主投票も、提案では廃止される見通しだという。