- 2023/03/30 掲載
アリババ再編、新事業グループ上場後に親会社支配の是非判断へ
[上海/香港 30日 ロイター] - 中国ハイテク複合企業アリババ・グループの張勇(ダニエル・チャン)最高経営責任者(CEO)は30日、今回発表した組織再編によって全ての事業部門が機敏になり、将来的に独自上場が可能になると述べた。
アリババは28日、持ち株会社制に移行し、電子商取引、メディア、クラウドなど6つの事業グループに分割・再編する方針を明らかにした。各部門に取締役会とCEOを設ける。
張氏は投資家向け電話会見で「事業グループとの関係においてアリババは事業運営会社というより、資産・資本運営会社の性質を帯びることになる」と説明した。目先は親会社のアリババが各グループの取締役会の席を維持する考えも示した。
アリババは数年前にこの再編に向けた基盤固めを始めたとし、それぞれの事業グループが独自上場を目指すことが可能になると述べた。
徐宏(トビー・シュー)最高財務責任者(CFO)は、事業グループの上場後、アリババが各部門の戦略的重要性の評価を継続した上で支配権を維持すべきかどうかを決めることになると語った。
組織再編は同日付で実施する。
徐氏は事業グループの上場時期について問われ、市場が「リトマス紙」の役割を果たすという考えの下、各部門は準備が整えば資金調達とIPO(新規株式公開)を目指せると述べた。
同時に、親会社は資本構造を最適化するため、保有する非戦略的資産の収益化を続ける計画とした。
一部のアナリストは、複合企業であるアリババの現在の株価が割安で、事業分割によって投資家が各部門を独立して評価できるようになると指摘する。また、再編後は一つのグループが罰金を科されても、他への実質的な影響はないため、株主を規制面の圧力から守りやすくなるとの見方もある。
中国に特化した資産管理会社、世誠投資の王崎CEOは、インターネット業界は会社存続のために再編に動いていると指摘。テンセントやアリババ、京東集団(JD)、滴滴出行(ディディ)、バイトダンスなどは規制リスクを減らすためにボトムアップ型の再編を行い、レイオフによるコスト削減、業務効率化、非中核事業の処分を進めてきたと述べた。
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