国際デリバティブ業界、ＣＤＳ擁護　世界的な銀行混乱受け

［ロンドン　３０日　ロイター］ - 金融派生商品（デリバティブ）の業界団体の国際スワップデリバティブ協会（ＩＳＤＡ）は、最近の世界的な銀行の混乱を招く一因になったと懸念が出ているクレジット・デフォルト・スワップ（ＣＤＳ）を擁護する姿勢を示した。

ＣＤＳはデリバティブの一種で、銀行などの債券発行者の債務不履行のリスクに対する保険の役割を提供する。

欧州連合（ＥＵ）の欧州証券市場監督機構（ＥＳＭＡ）は３０日、加盟国の規制当局とともに「ＣＤＳ市場を含めた最近の市場の動きを調査している」と表明した。

欧州中央銀行（ＥＣＢ）銀行監督委員会のアンドレア・エンリア委員長は今週に入り、ドイツ銀行の株価が２４日に急落後、同行のＣＤＳが急激に変動したことに言及していた。

ＩＳＤＡのスコット・オマリア最高経営責任者（ＣＥＯ）は、規制当局は既に「誰が、何を、いつ、どの程度の規模で取引しているか」を示す広範なデータにアクセスできていると指摘し、エンリア氏が批判した不透明さとは程遠いと主張した。

オマリア氏は、２００８年の世界金融危機後に強化された規則によって「リスク管理上で重要な役割を果たすシングルネームＣＤＳは、はるかに透明性の高いものとなっている」と訴えた。