- 2023/04/01 掲載
金融政策は「難しい舵取り」、本格転換に時間=全銀協会長
日銀は3月に2人の副総裁が交代、4月9日には植田和男総裁が就任する。
安定的な物価・賃金の上昇に時間がかかる一方で、債券市場の機能低下や金利差による為替変動なども生じており「舵取りは難しい」とも話し、コミュニケーションを取りながら、金融政策を進めることを期待するとした。
米国では、急激な利上げの影響もあり銀行の破綻が起きた。加藤会長は、日本ではそれほど急激な利上げが想定されないことに加え「何よりも日本の金融機関のバランスシートが健全だ」とした。
<PBR1倍割れ、真摯に受け止め改善促す>
金融機関のなかにPBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業が多いことについては「真摯に受け止め、改善を促していくことは大事」との認識を示した。
加藤会長は、新しいビジネスモデルを作っていくために非対面でのビジネスやグローバルな金融市場でのリスクマネーの供給などに取り組むことが必要だとした。さらには、個別行の対応だけではなく「日本の金融界に対する期待値、将来性をしっかりと語り、投資家に理解してもらうということも大事だ」と述べた。
2022年の出生数が統計開始後初めて80万人を割り込むなど、少子化に歯止めはかかっていない。人口減の日本では、将来的な期待値は大きくなく、金融機関は「チャレンジという部分が大きくなることを前提として」海外に打って出ざるを得ない現状がある。また、日本国内では金融インフラとして経済を支えることが必要な面もあると説明したうえで「しっかりそれをやることも入れながら、PBR1倍割れを防ぐということについては、引き続きチャレンジが必要だと思っている」とした。
東京証券取引所は3月31日にフォローアップ会議を開き、資本コストや資本収益性を意識した経営が重要との観点から、資本収益性や市場評価に関して、改善に向けた方針や具体的な目標について、企業が投資家に分かりやすく示すことを求める案を公表した。
加藤氏は、半沢淳一三菱UFJ銀行頭取から4月1日付で全銀協の会長職を引き継いだ。
*インタビューは3月17日に実施しました。
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