スイス中銀の要求払い預金減、クレディＳ合併巡る資金動向関連か

[チューリヒ ３日 ロイター] - スイス国立銀行（中央銀行、ＳＮＢ）に預けられたサイト・デポジット（要求払い預金）が先週縮小した。クレディ・スイスとＵＢＳが合併促進のための緊急資金の利用を控えた可能性を示唆している。

３日に公表されたデータによると、ＳＮＢがオーバーナイトで保有する商業銀行の現金を意味するサイト・デポジット総額は、前週の５６７０億０３００万スイスフランから５６３５億６６００万フラン（６１４７億１０００万ドル）に減少した。

前週は５１８億フラン増と過去２番目に大きな増加幅で、おそらく買収発表後にＵＢＳとクレディ・スイスがＳＮＢとスイス政府から提供された流動性枠を利用したことに関連していると考えられる。

ＳＮＢとクレディ・スイスは、サイト・デポジットの変動についてコメントを避けた。ＵＢＳもコメントを避けた。

Ｊ・サフラ・サラシンのエコノミスト、カルステン・ユニウス氏は今回のデータについて、両行が流動性へのアクセスをおそらく前週よりも減らしたことを示していると指摘。「これはスイスの銀行システムにおけるストレスが若干減っていることを示すものであり、良い兆候だ」と述べた。

一方、今回の減少はＳＮＢが為替市場に介入し、商業銀行がサイト・デポジットで保有するフランと引き換えに、保有する外貨を売却したためだった可能性もある。