• 2023/04/05 掲載

資金供給量、5倍に拡大=「黒田バズーカ」から10年―物価目標達成せず・日銀

時事通信社

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日銀による「異次元」の金融緩和が始まって4日で丸10年。黒田東彦総裁が打ち出した大量の国債購入と資金供給の拡大による緩和策は「黒田バズーカ」と称された。現金と日銀の当座預金残高を合わせたマネタリーベース(資金供給量)は10年で約5倍の水準に拡大したが、2%の物価目標の安定的な達成は今もできていない。

日銀が4日発表した2022年度末の資金供給量残高は675兆8401億円だった。新型コロナウイルスに伴う資金繰り支援策の縮小で、前年度末からは縮小したものの、12年度末(146兆410億円)の5倍近くに達した。

黒田総裁は13年4月、就任直後の金融政策決定会合で、資金供給量を年間60兆~70兆円増加させ、2年間で倍増させる大規模緩和策を導入。大胆な緩和を通じて人々のインフレ期待を呼び起こし、「2%の物価目標を2年で達成できる」と強調した。翌年10月には、資金供給量の年間増加額を80兆円まで増やす追加緩和も決めた。

しかし、物価目標は達成されず、日銀は16年9月にイールドカーブコントロール(長短金利操作)導入を決定。金融調節の対象を、資金供給という「量」から、10年物国債利回りなど「金利」に転換した。

一方、資金供給量は膨張を続けた。新型コロナ対策で資金支援を実施したこともあり、21年度末の資金供給量は688兆円に拡大。その半面、大量の国債購入に伴う市場のゆがみなどの副作用も目立ち、日銀は昨年12月、大規模緩和の一部修正に踏み切った。

黒田総裁は今年3月の会合後の記者会見で、「副作用よりプラス効果がはるかに大きかった」と10年間を総括した。しかし、バズーカは十分威力を発揮できず、黒田総裁は思い半ばで8日の退任を迎えることになる。

【時事通信社】 〔写真説明〕日銀本店=東京都中央区(AFP時事)

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