- 2023/04/18 掲載
関電、終わらぬ「みそぎ」=2度目の業務改善命令―電力不正
関西電力は17日、顧客情報の不正閲覧で業務改善命令を受けた。2020年3月の金品受領問題に伴う業務改善命令に続いて2度目。企業改革を誓いながら、変わらない不祥事体質に、「(命令を)何回打てばいいのか」と経済産業省幹部もあきれる。関電の「みそぎ」に終わりは見えない。
19年に発覚した金品受領問題では、内向きの企業体質が批判された。関電は経営陣を刷新するとともに、研修や内部通報制度の整備を行うなどしてガバナンス(企業統治)とコンプライアンス(法令順守)の強化を打ち出した。
しかし、その後も不祥事が相次いだ。21年には法人向け電力販売を巡り他の電力大手とのカルテルが発覚。建設工事に関する社員らの国家資格不正取得や、一部送配電営業所での検査不正も明るみに出た。関電幹部ですら「こんなに(不正が)あるとは」と絶句する。
不正閲覧問題を受け、関電は今年2月下旬から4月末まで自発的な営業活動を自粛。「根底にある課題の抜本的解決に踏み込む」(森望社長)としているが、新電力の顧客情報を営業活動に使うなど、同社の悪質性は際立っている。
カルテルを巡っては、関電は違反行為を自主申告し、処分を免れた。ただ、森本孝前社長=12日付で特別顧問を辞任=らの関与を認めており、3度目の業務改善命令も取り沙汰されている。1度では「古い体質を変えられなかった」(関西財界幹部)関電。信頼を取り戻すことができるのか、正念場を迎える。
【時事通信社】 〔写真説明〕関西電力本店=大阪市北区
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