テスラ、第1四半期粗利益率が予想下回る　値下げ重し　株価下落

[１９日 ロイター] - 米電気自動車（ＥＶ）大手テスラが１９日発表した第１・四半期決算は、粗利益率が１９．３％と、２０２０年第４・四半期以来の水準に沈んだ。競争激化や景気減速の中、各国で需要喚起を狙った値下げを実施したことが重しとなった。

リフィニティブのまとめたアナリスト１４人の予想は２２．４％だった。

引け後の時間外取引で株価は３．２％下落した。

テスラは１月に中国で値下げを開始した後、米国のほか欧州やイスラエル、シンガポールでも値下げを実施。１８日には米国で今年６回目の値下げに踏み切った。

同社は「製品価格は、今後も複数の要因によって上下に変化する見通しだ」と述べた。

アナリストは、とりわけ中国などでの価格競争に圧迫され、テスラがさらなる値下げを余儀なくされる可能性があるという見方を示した

サード・ブリッジのアナリスト、オーワ・モハマド氏は「専門家の間では、テスラが成長のために『モデル３』と『モデルＹ』に過度に依存しており、投資家は早期の新製品投入を期待しているとの見方がある」と指摘。「４万─６万ドルの価格帯で、より革新的な製品を持つブランドにシェアを奪われる恐れがある」と述べた。

また「テスラの利益率は、今後も値下げや競争激化によって圧迫されるだろう」とした一方、「電池工場への投資や原材料・物流コストの段階的な正常化で軽減されるはずだ」と語った。

テスラは、原材料・コモディテイー価格、物流、製品保証コストの上昇や、新型電池「４６８０」の増産コストが利益率を圧迫したほか、新工場が十分に稼働していないことも逆風になったと説明した。

第１・四半期の売上高は２３３億３０００万ドル。アナリスト２２人の予想は２３２億１０００万ドルだった。

純利益は２５億ドルで、前年同期の３３億２０００万ドルから減少した。諸項目を除いた１株利益は０．８５ドルで、予想と一致した。

納車台数は生産台数を約１万８０００台下回った。同社は以前、物流面の問題で納車台数が生産を大幅に下回っていると述べていた。

２０２３年の納車台数については、約１８０万台とする見通しを維持した。