欧州銀株の空売り、4月は一転10億ドルの損失　危機収束で

［ミラノ／ロンドン　２１日　ロイター］ - ４月に入り欧州銀行株の空売りで損失が膨らんでいる。３月に大幅な収益をもたらした「クレディ・スイスショック」が収まり、好決算期待が広がっていることが背景。

分析会社オルテックスの推計で損失額は１０億ドル。３月は１年余りぶりの高水準となる２７億ドルの収益を生んでいた。

ＳＴＯＸＸ欧州銀行株指数はクレディ・スイス危機が最も深刻化した３月下旬の安値から１８％上昇。空売り上位のイタリア銀行ウニクレディトは３５％上昇し、２０１６年以来の高値水準にある。

銀行の経営不安が後退して投資家は再び利上げを織り込み、銀行の業績期待につながっている。

リフィニティブによると、欧州金融セクターの第１・四半期利益は３１％増加、通年では１９．５％の増益が予想されている。

オルテックスは、欧州銀行の空売り残高は浮動株の１％に迫り１１カ月ぶりの高水準と推計している。