英中銀、量的緩和策で1000億ポンド損失と試算

［ロンドン　２８日　ロイター］ - イングランド銀行（英中央銀行、ＢＯＥ）は２８日、量的緩和（ＱＥ）策を通じて２０３３年までに総額約１０００億ポンド（１２５０億ドル）の損失が発生するとの試算を示した。政府支出による穴埋めが必要になる。

英中銀は短期的には、政府が英中銀に対して年間３００億ポンド程度を支出することになると予想している。

英中銀は０９年から２２年にかけて政府に対して１２４０億ポンドを支払った。これは英中銀が購入した国債の受取利息と、英中銀が国債を購入した銀行から預かった現金に対して支払ったゼロ近辺の金利の差額に相当する。

英中銀の予想では、２３年、２４年、２５年には政府から年３００億ポンド程度を受け取ることになる見込み。これは昨年１１月、今年１月の予想と同様だが、３月に政府が予測した金額よりも多い。

政府から英中銀への支払いは、英中銀が市中銀行から預かっている預金に支払う金利が上昇したことを反映している。政策金利は２３年３月時点で４．２５％と、２１年１２月の０．１％から上昇した。

３３年までに約１０００億ポンドの損失が発生するとの見通しは、金融市場による英中銀の金利予想に基づいている。英中銀がインフレ抑制を目指す中、政策金利は今年後半に５％に達する可能性が高いと見られている。