- 2023/04/29 掲載
午後3時のドルは135円付近に急伸、1週間半ぶりの高値 日銀政策現状維持で
133円後半で取引を開始したドルは、仲値にかけては実需の買いが入り、134円付近までじりじりと上昇。日銀決定会合に関する報道を受けて、133円後半から134円前半で大きく上下した後、133円後半で小動きで推移した。
その後、日銀の政策現状維持や1年から1年半かけてレビュー行うとしたことを受けて、ドルは急伸。「海外勢が政策修正に備えて円ロングを構築しており、その巻き戻しが入った」(外銀)ことから、一時134.95円付近まで上昇した。
また、米当局が中堅銀行ファースト・リパブリック・バンクFRC.N救済に向けた緊急協議を調整していることが明らかとなったことを受けて、リスクオンの流れからクロス円の円安圧力が一段と強まり、ドルは135.13円付近まで上げ幅を拡大した。
あおぞら銀行のチーフマーケットストラテジスト、諸我晃氏は日銀政策決定会合について、「イールカーブ・コントロール(YCC)の維持のほか、展望レポートでは将来的に物価見通しが2%に届かないことが示され、ややハト派的」とした上で、1年から1年半かけて行うレビューについては、「YCCの修正とは別問題であり、市場機能の回復のため今後も修正を巡る思惑はくすぶりつづる」とみる。
クレディ・アグリコル銀行の資本市場本部シニア・アドバイザー、斎藤裕司氏も「日銀が1年から1年半かけてレビューをすることは長期的な政策の土台を作るためで、短期的な調整の足かせにはならない」とし、日銀の政策修正を巡る思惑がくすぶりつづけるとみる。また中銀イベントが終了した後は米債務上限問題も意識されやすく、「ドルの上値は徐々に重くなってくる」と予想する。
ユーロ/円は一時148.68円付近と8年4カ月ぶりの高値を更新。金融政策の方向性の違いや日経平均株価の上昇でリスクオンの流れから、クロス円で円安圧力がかった。
SBIリクイディティ・マーケットの金融市場調査部長、上田真理人氏は「足元のユーロ/円は調整も終わっていることから、上昇余力がある」とし、欧州中央銀行(ECB)理事会で50ベーシスポイント(bp)の利上げが決定されれば、「ユーロ主導でユーロ/円は上昇し、150円を超えてもおかしくない」との見方を示した。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 134.98/00 1.1010/14 148.56/60
午前9時現在 133.79/81 1.1029/33 147.50/54
NY午後5時 133.94/97 1.1027/31 147.75/79
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