- 2023/04/29 掲載
SVB破綻巡る判断「適切と言えず」、規則厳格化を約束=FRB
[28日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は28日、経営破綻した米中堅銀シリコンバレー銀行(SVB)に対する当局の対応の検証結果を公表した。報告書は、銀行の規模が拡大し複雑化する中でSVBの脆弱性の程度を十分に理解していなかったとし、SVBに対するFRBの判断は「必ずしも適切ではなかった」と結論付けた。
その上で、銀行に対する監督・規制の厳格化を約束した。
バーFRB副議長(金融規制担当)は「当局は十分な行動をとらなかった」と明言。114ページに及ぶ報告書に添えた書簡で「まず焦点とすべきは、監督のスピードや力、即応性を向上させることだ」と述べ、通常公開されない機密資料も補足として提供した。また「SVBの破綻後に起きたことは、より協力な基準をより幅広い企業に適用することが適切なことを示した」と述べた。
報告書は、経営陣が成長を優先し、破綻の引き金となった基本的なリスクを無視したことが主な原因であると指摘した。さらに、監督官庁の不手際も指摘したが、責任の所在について監督当局の特定の幹部を名指しするには至らなかった。
報告書によると、破綻時、SVBは安全性と健全性に関して31項目が未対応との指摘を受けていた。これは同業他社の3倍に当たる。資本と流動性の要件を強化することで、SVBの耐性を強化することができたはずとも指摘した。
報告書はまた、地銀の監督に振り向けるFRBのリソースの水準が「不十分だったことが判明」したとも指摘。一人の審査官が金利リスクと投資ポートフォリオ審査の双方を担当し、場合によっては2─3週間で流動性とモデルリスク管理を審査することがあったとした。
バー副議長は今回の破綻を受け、流動性リスクの監督と規制の方法を再検討し、まず無保険預金のリスクから始めることを明らかにした。役員報酬と経営の弱点への対処を関連付けることも検討するという。
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