- 2023/05/02 掲載
アジア経済の課題は=ADB総会、2日開幕―関係者に聞く(2)
◇気候変動融資で新枠組み=木村知之ADB局長
―アジア経済の課題は。
中長期的には、格差の問題や金融危機に対する脆弱(ぜいじゃく)性が挙げられる。温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする取り組みの加速も必要だ。気候変動問題では、先進国の財政事情が厳しい中、アジア開発銀行(ADB)のような国際的な開発機関による融資が期待されている。
―どう取り組むのか。
今回の総会で、気候変動の解決に結び付くような新しい枠組みを打ち出す。ADBが貸し付けたものの一部を日本や米国といった先進国が保証する枠組みだ。われわれのリスクが格段に小さくなり、その分、新規の融資を増やせるのが大きなメリットだ。
―国際的な開発機関の役割は大きい。
気候変動や食料安全保障などグローバルな課題に対応するには膨大な資金が必要だが、先進国にその余裕はない。ADBなどが民間資金を巻き込みながら投融資することが重要だ。
貧困国の支援だけに焦点を絞っていると、これらの課題にはなかなか効果が出ない。中所得国を含めた支援にかじを切るべきではないか。
【時事通信社】 〔写真説明〕アジア開発銀行(ADB)の木村知之戦略政策・パートナーシップ局長(同行提供)
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