- 2023/05/04 掲載
NY市場サマリー(3日)株価続落、ドル下落 利回り低下
<為替> 米連邦準備理事会(FRB)が利上げ停止の可能性を示唆したことを受け、ドルが下落した。
FRBはこの日までの2日間の日程で開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、全会一致で0.25%ポイントの利上げを決定。前回のFOMC声明で「幾分の追加的な金融政策引き締めが適切になるかもしれないと予想する」としていた部分を「追加的な金融政策の引き締めがどの程度適切かを決めるに当たり、委員会は金融政策の度重なる引き締め、金融政策が経済活動とインフレ率に及ぼす影響の遅れ、および経済と金融の動向を考慮する」に変更した。
ただ、利上げサイクルの終了を明確に確約しなかったため、ドルはFOMC声明発表直後に付けたこの日の安値からは上向いた。
主要6通貨に対するドル指数は0.42%安の101.24。一時は101.05と、4月26日以来の安値を付けた。
ユーロ/ドルは0.46%高の1.1047ドル。先週付けた13カ月ぶり高値(1.1093ドル)近辺にとどまっている。
欧州中央銀行(ECB)は4日の理事会で0.25%ポイントの利上げを決定するとの見方が大勢となっている。
ドル/円は1.02%安の135.15円。
FOMCがこなされ、市場は5日発表の4月の雇用統計のほか、来週発表される消費者物価統計に注目している。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 米連邦準備理事会(FRB)が予想通りに利上げを決定したものの、利上げ停止を示唆したことを受け、国債利回りが低下した。
FRBはこの日まで2日間の日程で開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、全会一致で0.25%ポイントの利上げを決定。ただ、声明から「幾分の追加的な金融政策引き締めが適切になるかもしれないと予想する」との文言を削除し、「追加的な金融政策の引き締めがどの程度適切かを決めるに当たり」当局は今後数週間から数カ月間の経済、インフレ、金融市場の動向を注視するとした。
FOMCを受け、金利先物市場でFRBは6月と7月の会合での利上げを一時停止し、9月までに利下げに転じるとの予測が織り込まれた。
市場は、年末時点のフェデラル・ファンド(FF)金利誘導目標は4.32%と予想。現在の水準から50─75ベーシスポイント(bp)低い水準となる。
終盤の取引で2年債利回りは12bp低下の3.86%。10年債利回りは8.7bp低下の3.352%。
財務省が連邦債務上限が引き上げられなければ、早ければ6月1日にも政府の債務支払いを履行できなくなる恐れがあるとの見通しを示したことを受け、財務省短期証券利回りは上昇。
1カ月物財務省短期証券利回りが4.495%に上昇したほか、2カ月物財務省短期証券利回りは5.54%と、過去最高を更新した。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 続落して取引を終えた。当初は上昇していたが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見で、FRBの次の一手に不透明感が残ったことで、下落に転じた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を受けて、指数は指数は当初、上昇を維持した。
しかし、パウエル議長の会見後に株価は急落し始めた。パウエル氏は、FRBは依然としてインフレ率が高すぎるとみているとし、利上げサイクルが終わったと考えるのは早すぎると述べた。
FRBは5月2─3日に開いたFOMCで、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%ポイント引き上げ5.00─5.25%とした。
S&P500の主要業種は全て下落。エネルギーと金融が最も大きく下落した。KBW地域銀行指数は0.9%下落し、週初からの下落幅を拡大した。
投資家は、金利の上昇で最終的に景気後退に陥る可能性を懸念している。
個別銘柄では、米半導体大手アドバンスト・マイクロ ・デバイセズ(AMD)が9.3%下落。パソコン(PC)市場の低迷を背景に四半期の売上高が予想を下回った。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 米長期金利の低下が続く中で買いが優勢となり、続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比13.70ドル(0.68%)高の1オンス=2037.00ドル。米連邦債務上限問題の先行き不透明感や金融不安が高まる中で、米長期金利の低下が継続、金利を生まない資産である金の投資妙味が強まり、金が買われた。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見を控えて様子見ムードが広がり、上値が重い展開となった。
引け後に発表されたFOMC声明では大方の予想通り、25ベーシスポイント(bp) の利上げが決定された。相場は声明発表直後に一段高となったものの、すぐに発表前の水 準まで値を削る場面もあった。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 利上げによる景気後退懸念がくすぶる中を、3日続落した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比3.06ドル(4.27%)安の1バレル=68.60ドルと、中心限月ベースで3月下旬以来、約6週間ぶりに70ドルを割り込んだ。7月物は3.00ドル安の68.55ドル。
米連邦準備制度理事会(FRB)は3日午後、前日から開催していた連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の0.25%引き上げを決定した。結果発表後はやや買いが入ったものの、市場ではほぼ織り込み済みだったことから相場の反応は一時的だった。
ただ、これまでの一連の利上げが景気を下押しし、石油需要を減退させるとの警戒感が改めて意識された。金融システムを巡る不安も根強く、原油は売りが優勢となりマイナス圏で取引を終えた。
米エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した週間在庫統計では、原油在庫が前週比130万バレル減と市場予想(110万バレル減=ロイター通信調べ)を上回った。一方、ガソリン在庫は170万バレル増と、市場予想(120万バレル減)に反して積み増しとなったことも、相場の下押し要因となった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 134.68/134.70
始値 135.54
高値 135.86
安値 134.7
ユーロ/ドル NY終値 1.1059/1.1063
始値 1.1032
高値 1.1091
安値 1.1026
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 98*25.00 3.6926%
前営業日終値 98*02.50 3.7320%
10年債(指標銘柄) 17時05分 101*04.00 3.3637%
前営業日終値 100*16.00 3.4390%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*22.50 3.3457%
前営業日終値 100*05.00 3.4660%
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*00.63 3.8645%
前営業日終値 99*25.63 3.9800%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 33414.24 -270.29 -0.80
前営業日終値 33684.53
ナスダック総合 12025.33 -55.18 -0.46
前営業日終値 12080.51
S&P総合500種 4090.75 -28.83 -0.70
前営業日終値 4119.58
COMEX金 6月限 2037.0 +13.7
前営業日終値 2023.3
COMEX銀 7月限 2568.1 +6.2
前営業日終値 2561.9
北海ブレント 7月限 72.33 ‐2.99
前営業日終値 75.32
米WTI先物 6月限 68.60 ‐3.06
前営業日終値 71.66
CRB商品指数 256.5628 ‐4.0747
前営業日終値 260.6375
PR
PR
PR