- 2023/05/04 掲載
米地銀パックウエスト、戦略的選択肢巡り投資家候補と協議
[4日 ロイター] - 米カリフォルニア州を地盤とする銀行持ち株会社パックウエスト・バンコープは4日、戦略的選択肢について複数のパートナー・投資家候補と協議していることを明らかにした。
株主価値を最大化するためあらゆる選択肢の検討を続けており、協議は進行中だとした。
27億ドル相当のレンダーファイナンスローンのポートフォリオを売却用の保有に移管するなど、戦略的な資産売却を模索したと述べた。同ポートフォリオの売却計画は予定通りで、完了後には普通株式等Tier1(CET1)比率が9.21%から少なくとも10%に上昇する見通しという。
現金と利用可能な流動性は依然として「堅固」であり、5月2日時点で保護対象外の預金の188%に当たる水準だと強調した。
また、破綻したファースト・リパブリック銀行がJPモルガン・チェースに売却されて以降、通常と異なる預金の動きは見られないとした。
中核顧客の預金が3月31日以降に増加したとも述べた。
パックウエストはカリフォルニア州のほかノースカロライナ州ダーラム、コロラド州デンバーに支店を持つ。先週発表した第1・四半期決算は、一部顧客による預金引き出しが落ち着いたことを示していた。
アリゾナ州フェニックスに拠点を置くウエスタン・アライアンス・バンコープも3日、異常な預金流出は見られず流動性は十分だと強調し、投資家の懸念払拭を図った。
著名投資家のビル・アックマン氏は「金融機関に対する信頼は何十年もかけて築かれ、数日で壊れる。ドミノが倒れるたびに、次に弱い銀行がぐらつき始める」とツイート。当局に広範な預金保証を導入するよう呼びかけた。
また「ぐらつく銀行に賭ける投資家が報われるまで買い手は出ないだろう」と書き込んだ。
米地銀株は3日の引け後の取引で売られ、ザイオンズ・バンコープ、ファースト・ホライズン、コメリカはそれぞれ7%超下落。SPDR・S&P地銀ETF(上場投資信託)も5%下げた。
ザイオンズとファースト・ホライズンのコメントは得られていない。
コメリカは、第1・四半期に預金が減少したものの新型コロナウイルス禍前を上回る水準を維持し、物価に敏感な顧客への集中度は低下したと述べた。
その上で「特定の銀行に影響している最近の動向や株価を変動させている不安感は、銀行業界の全体的な健全性を反映していない」との見方を示した。
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