• 2023/05/05 掲載

インタビュー:海外もコンビニの「食」に強み、すぐの分離は正しくない=7&iHD社長

ロイター

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[東京 5日 ロイター] - セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長はロイターとのインタビューで、「食」の強みを生かしてグローバルにコンビニ事業の拡大を図る方針を示した。「コンビニ事業の5年、10年の成長を考えた時に、あらゆる選択肢を検討するなかでも、今すぐスピンオフする判断は正しくないと考えている」と述べ、米投資ファンドの株主提案に改めて反対の姿勢を示した。

米投資ファンドのバリューアクトは、コンビニ事業のスピンオフや井阪社長の退任を強く求めている。井阪社長は、取締役会では「想定されるシナジーに加えて、ディスシナジー(負のシナジー)も定量的に出し議論を行った」と述べ、「セブンイレブンジャパンの商品開発のリソースをそぎ落としてしまうことは、成長が止まるリスク、蓋然性が非常に高くなるということだ」との考えを示した。

グループのプライベートブランド(PB)であるセブンプレミアムの商品開発担当134人のうちセブンイレブンから関わっている人数は4分の1程度で、大半はイトーヨーカ堂などスーパーの人材で構成されている。

井阪社長によると、海外でも弁当や総菜などの売り上げ構成比と客数には相関関係があり、「食」の強みを生かすため米国やベトナムでオリジナル商品の供給網を作っている。出店地域の拡大に向け「出資も視野に入れながらやることで、最初からバリューチェーンの構築を視野に入れた店舗展開、出店戦略も一緒に進めることができる」と述べた。

今年9─10月には、コンビニとスーパーを組み合わせた新型店舗「SIPストア」数店舗を千葉県で出店する。実証実験で顧客の反応をみながら戦略を考えていくといい、「これから少子高齢化が進む東アジアにおける『解』になる可能性はある」として、海外展開にも意欲を示した。

セブン&アイは3月9日にグループ戦略の再評価を発表。2025年度に首都圏スーパー事業のEBITDA550億円、投下資本利益率(ROIC)4%以上の実現を目標に掲げた。ヨーカ堂とヨークとの早期の経営統合を進めるほか、シェルガーデンとも統合し、首都圏でのスーパーストア事業の効率化を図る。

東北南部から関東北部にかけてスーパーマーケットチェーンを展開するヨークベニマルについては「営業利益率が良く、その数字を下げてしまうようなことはしたくない。3社統合後、ヨークベニマルと同じ程度に数字が上がってから、どのようにするか考える」とした。

今回のグループ戦略は、1年前に株主からの指摘も踏まえ社外取締役を過半数以上に増やすなどの改革を行った取締役会で議論を進めた結果という。井阪社長は「アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)に縛られているようなことは一回捨て、新しいスコープ(視野)を入れて作った。この戦略が正しいということを自信を持って株主に説明できる」と述べ、総会に向けて株主の理解にも自信を示した。

その上で「グローバルの成長の橋頭保をいくつかの国で作りたいし、スーパーストア事業の血の出るような改革もめどが付くまで見届けたい。3年後、改革ができていなければ責任も取らないといけないと思うし、それなりの覚悟で臨みたい」と語った。

*インタビューは4日に実施しました。

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