- 2023/05/08 掲載
日経平均は5日ぶり反落、過熱感で利益確定売り優勢 円高重し
日経平均は前営業日比約62円安でスタートした後も軟調な推移が継続し、後場には一時226円安の2万8931円81銭に下げ幅を拡大した。前営業日に比べドル/円が円高方向となり、輸出関連株を中心に重しになった。日経平均は前営業日に2022年1月以来の高水準に上昇しており、短期的な過熱感が警戒され「いったんスピード調整」(国内証券のアナリスト)との見方が聞かれた。
国内の連休中に結果が発表されたFOMCでは、市場予想通り0.25%の利上げが決まった。利上げ停止が示唆された一方、早期の利下げには否定的な考えも示され、堅調な米雇用統計もあいまって、引き締め局面の長期化が警戒された。米国では利上げの累積効果が意識され、米景気減速や米地銀のリスクへの警戒感がくすぶった。
新型コロナの法的位置付けが「5類」に移行し、人流回復への思惑から空運や陸運といった内需株の一角はしっかり。日経平均はファーストリテイリングなど指数寄与度の大きい銘柄の下げが重しとなって軟調な推移が続いた一方、TOPIXはプラスに浮上する場面もあった。
米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が6日、自身の率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイの株主総会で、日本株への投資に前向きな姿勢をあらためて示したことが話題になった。「バフェット氏が目をつけたことで、長期の資金も入ってきていそうだ。海外勢の目には日本株は少なくともネガティブではないだろう」(三菱UFJ国際投信の石金淳チーフストラテジスト)との見方が聞かれた。
TOPIXは0.21%安の2071.21ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比0.21%安の1065.68ポイントで取引を終了した。プライム市場の売買代金は2兆9924億6300万円だった。東証33業種では、値上がりは空運やパルプ・紙、海運など19業種で、値下がりは鉱業や銀行、化学など14業種だった。
INPEXやファナックは軟調。三菱UFJ FGはさえなかった。一方、ANA HLDGやダイキン工業は年初来高値を更新。JR東日本は堅調だった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1126銘柄(61%)、値下がりは637銘柄(34%)、変わらずは71銘柄(3%)だった。
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR