ＮＹ外為市場＝ドル上昇、米・ＥＵ関税合意で安心感

［ニューヨーク／ロンドン　２８日　ロイター］ - ニューヨーク外為市場では、ドルがユーロや円などの主要通貨に対して上昇した。米国と欧州連合（ＥＵ）が前日に関税交渉で枠組み合意に達したことを受け、安心感が広がったことがドル買いにつながった。

米国とＥＵの枠組み合意によると、米国は自動車を含めＥＵからの大半の輸入品に対する関税率を１５％とする。米側が表明していた３０％の関税率の半分の水準にとどまり、世界貿易のほぼ３分の１を占める米・ＥＵ間の貿易摩擦拡大は回避された。

これに先立つ２２日に米国は日本と貿易交渉で合意し、トランプ大統領は日本に対する相互関税は１５％になると明らかにしていた。

マネーコープ（ニュージャージー州）の北米ストラクチャリング部門責任者、ユージン・エプスタイン氏は、トランプ氏が大規模関税措置を発表した４月初旬以降、不確実性の高まりを背景に「米国売り」が主流になっていたと指摘。「現在、ある程度の正常化に回帰しつつある」と述べた。

トランプ政権が掲げる関税措置を巡る懸念が和らぐ中、市場は企業決算のほか、週内に予定される米連邦準備理事会（ＦＲＢ）と日銀の政策決定会合に注目。ＦＲＢと日銀は共に今週の会合で金利据え置きを決定するとの見方が大勢となっており、次回の政策変更のタイミングを見極めようと、会合後の当局者の発言が注目されている。

ＦＲＢが金利据え置きを決定した場合、ＦＲＢに対し利下げを繰り返し要求しているトランプ大統領の反応も注目されている。

終盤の取引でドル／円は０．５９％高の１４８．５３５円。ユーロ／ドルは１．２５％安の１．１５９１２５ドル。

暗号資産では、ビットコイン が０．５２％安の１１万８２０５．３８ドル、イーサリアム が０．６１％安の3８００．９０ドル。

ドル／円　ＮＹ終値 148.53/148.57

始値 148.41

高値 148.57

安値 147.95

ユーロ／ドル　ＮＹ終値 1.1588/1.1590

始値 1.1658

高値 1.1665

安値 1.1586