- 2023/05/08 掲載
午後3時のドルは小幅安134円後半、米利上げ停止観測や金融不安が重し
ドルは朝方は買いが優勢で一時135.30円付近まで上昇したが、仲値にかけて国内輸出企業から売りが出たとみられじりじりと軟化。時間外取引の米長期金利の低下も下押し圧力となり、午後3時過ぎには一時134.66円付近まで下落した。
前週末に発表された4月の米雇用統計は堅調な内容だったが、市場では米国の利上げ停止や年内の利下げ観測は後退せず、ドルの上値を抑制している。CMEのフェドウオッチによると、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利据え置きとの見方が大勢だが、年内には利下げに踏み切るとの見通しが織り込まれている。
りそなホールディングスのエコノミスト、村上太志氏は「高い米金利水準による景気の先行き懸念や金融不安を背景に、一部の市場参加者は年内の利下げを見込んでいる。経済指標が上振れれば一時的に米金利上昇に伴いドル高に振れる可能性はあるものの、大きく流れが形成されるような状況にはなりづらい」とみる。
また、金融システム不安がくすぶる中、「米銀の連鎖的な破綻が続く可能性があり、ドルを買い上がる状況とは言い難い」(外銀)との声も出ている。米債務上限問題も重しで、バイデン大統領は9日に共和党のマッカーシー下院議長、マコネル上院院内総務らと会談する準備を進めている。
ユーロは1.10ドル前半で強含み。1.11ドル手前では上値が重い状況が続いているものの、「欧州中央銀行(ECB)は利上げに積極的な姿勢を示しており、ユーロは底堅さを維持するだろう」(国内金融機関)との声が聞かれた。
ECBは4日の理事会で、予想通り0.25%ポイントの利上げを決定。ラガルド総裁は理事会後の会見で、インフレ抑制に向け利上げを「停止しない」と強調した。
豪ドルは91円前半と堅調。2日にオーストラリア準備銀行(中央銀行)が予想外の利上げに踏み切ったことや追加引き締めを示唆したことが、豪ドルの下支えになった。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 134.72/74 1.1037/41 148.71/75
午前9時現在 135.18/20 1.1016/20 148.94/98
NY午後5時 134.83/86 1.1017/21 148.57/61
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