- 2023/05/08 掲載
世界の金需要、第1四半期は前年比減少=WGC
WGCの四半期需要トレンド報告書によると、1─3月期の需要の約半分を宝飾品業者、残り半分を投資家と国家が占めた。
昨年は中銀による買いが過去最高を記録し、金需要は11年ぶりの高水準に増加。金価格は1オンス=2000ドルを超えて過去最高値近辺で推移している。
1─3月期は中銀の買いが228トンと、集計が始まった2000年以来の同期として最高だった。
中国の宝飾品用需要は198トンで、2015年1─3月期以来の高水準。新型コロナウイルスを厳しく封じ込める「ゼロコロナ政策」の終了により、消費者支出が回復したことが寄与した。
米国では銀行セクターや経済の混乱を背景に、安全資産として金の延べ棒・金貨の購入が32トンと、四半期として2010年以降で最高となった。
半面、欧州では延べ棒・金貨の購入が減り、インドの宝飾品用需要も3年ぶりの低水準となった。上場投資信託(ETF)も金を売り越した。
投資家の需要は前年同期比で減ったが、銀行破綻による不安や米利上げの打ち止め観測により、期末の3月には上向き始めた。
WGCは、今年1年間で見れば投資需要は増加し、中銀による買いも昨年には及ばないものの高水準を保つと予想している。
ただ、投資家が金を抱え込んでいるため価格はさらに上昇し、価格に敏感なインドの消費者の需要は減る可能性があると、WGCのアナリスト、クリシャン・ゴパウル氏は述べた。
四半期の金需要(単位:トン)
Q1'23 Q4'22 Q1'22 Month on month Year on year
% change % change
Jewellery fabrication 508.6 601.3 516.4 -15% -2%
Technology 70.0 72.3 81.0 -3% -13%
- of which electronics 56.0 58.0 66.2 -3% -15%
- other Industrial 11.6 11.9 12.0 -3% -3%
- dentistry 2.4 2.4 2.7 -2% -12%
Investment 273.7 250.6 558.4 9% -51%
- of which bar and coin 302.4 340.3 287.7 -11% 5%
- ETFs & similar products -28.7 -89.6 270.7 -68% -111%
Central banks & other inst. 228.4 378.6 82.7 -40% 176%
GOLD DEMAND 1,080.8 1,302.8 1,238.5 -17% -13%
OTC and other 93.6 -69.7 -73.3 -234% -228%
TOTAL DEMAND 1,174.4 1,233.2 1,165.1 -5% 1%
*出典:ワールド・ゴールド・カウンシル、金需要トレンド第1・四半期2023年
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