- 2023/05/09 掲載
米地銀株の動揺受け空売り規制求める声
シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻をきっかけとした銀行セクターの混乱で、空売り投資家はかなりの利益を稼いでいる。オレックスのデータに基づくと、5月1─2日だけでも12億ドルが彼らの懐に入ったという。
こうした中で、合併やヘッジファンドからの批判などの問題で大手企業の代理人を務めてきた法律事務所ワクテル・リプトン・ローゼン・アンド・カッツは4日、米証券取引委員会(SEC)宛て書簡で金融機関株の空売りを制限するよう要望した。
ワクテルは具体的に、SECが金融機関株の空売りを15営業日禁止する措置を講じて「協調的な空売り攻撃」を阻止すべきだと提案。それによって規制当局や投資家は情報を消化する時間を確保できると述べた上で、空売り投資家の動きは標的となった企業の基本的な業績とは何の関係もなく、米経済を「多大な危険」にさらすだけだと訴えた。
空売りの一時的な禁止は2008年の金融危機時にも導入された。ただニューヨーク連銀がその後検証したところ、この規制は所期の目的を達成する効果はなかったとされる。
SECは4日、空売り規制を再び実施すべきかどうかとの質問に関するコメントを拒否した。
ただ事情に詳しい関係者の話では、連邦政府や州政府の当局者は最近の銀行株の大幅な変動の背後で「相場操縦」が行われた可能性について調査を進めているという。
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