- 2023/05/09 掲載
銀行融資縮小、短期的リスク=米欧利上げ継続も―FRB報告書
【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は8日、金融安定報告の最新版を公表した。金融システムへの短期的リスクとして、最近の銀行破綻の連続で不安が高まることにより、銀行の融資が一段と縮小することを挙げた。また、米国のほか、欧州など先進国の追加利上げで世界経済の成長が鈍化する可能性に警戒感を示した。
報告書は、銀行破綻に対し、当局が預金全額保護などの措置を講じたものの、経済見通しや不良債権、資金調達への懸念から「銀行などが融資をさらに絞る可能性がある」と指摘。急激な融資縮小は経済活動を鈍化させ、企業利益の減少と相まって一部企業のデフォルト(債務不履行)を招く恐れがあると警告した。
また、インフレ圧力が想定以上に根強い場合、米国を含む先進国での予想よりも大幅な利上げが長期金利の急上昇を促すと言及。新興国を含めた政府や企業の債務返済が困難になるほか、不動産市場に打撃を及ぼすリスクもあると分析した。
【時事通信社】 〔写真説明〕米連邦準備制度理事会(FRB)本部=ワシントン(AFP時事)
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