- 2023/05/10 掲載
日経平均は反落、利益確定売り 好決算企業への物色は支え
日経平均は約53円安と小反落で始まり、徐々に下げ幅を拡大して午後には一時約172円安の2万9070円11銭に下落した。前日の米半導体株安の流れで指数寄与度の大きい半導体関連銘柄が売られた。引けにかけては、4月米消費者物価指数(CPI)の発表を控え様子見ムードも強まった。
市場では「決算を材料に個別では大きく上下に動くというのがきょうの相場で、商いもそれに伴って増えているが、全体としては戻り高値圏にあるので利食いや戻り待ちの売りが出て反落した」(国内証券のストラテジスト)との声が出ていた。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジストは「日本株は全体としては強いというのが第一印象。今回の決算シーズンは決算の数字そのものよりも自社株買いや株主還元を発表した企業への反応が大きく出ている」と指摘。決算発表の山場を越えると「(株価は)いったんはだれる可能性はある」とする一方、海外勢の買いが本格化していないため持続性を見極めたいと指摘した。
米CPIについては「インフレが再加速していなければ6月の利上げの可能性はさらに遠のき、市場は好感するだろう」とみている。
TOPIXは0.55%安の2085.91ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比0.55%安の1073.25ポイントで取引を終了した。プライム市場の売買代金は3兆1877億9000万円だった。東証33業種では、値上がりは海運や倉庫・運輸関連、銀行など5業種で、値下がりは鉄鋼や医薬品、食料品など28業種だった。
前日公表した決算や自社株買いが好感された三菱商事は3.7%高で年初来高値を更新。午後に決算を発表したトヨタ自動車は0.7%で取引を終えた。東京エレクトロンは2.1%安と軟調で、指数の重しとなった。午後に決算を発表した日本製鉄は8.6%安と急落した。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが436銘柄(23%)、値下がりは1341銘柄(73%)、変わらずは57銘柄(3%)だった。
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