- 2023/05/11 掲載
日経平均は小反発、半導体株高が支え 高値警戒や円高は重し
日経平均は小安くスタートし、一時93円安に下げを拡大した。引き続き高値警戒による利益確定売りが上値を抑えたほか、ドルが134円台前半と前日に比べ円高となり輸出関連株を中心に重しになった。米国の債務上限問題への警戒感もくすぶった。
一方、前日の米フィラデルフィア半導体指数(SOX)指数が上昇し半導体関連は総じてしっかりで、相場を支えた。日経平均は下げ幅を縮めてプラスに転じ、前日終値を挟んだ一進一退となった。「米消費者物価指数(CPI)の発表を通過し、過度な警戒感がひとまず和らいだ」(三木証券の北沢淳商品部投資情報グループ次長)との声もあった。
4月の米CPI(季節調整済み)は前年比4.9%で、伸びは2年ぶりに5%を下回り2021年4月以降で最小となった。米連邦準備理事会(FRB)が6月にも利上げを停止するとの織り込みが進んだ。
企業決算を手掛かりにした個別物色は引き続き活発だった。ここまでの決算を巡っては「1株あたり利益(EPS)が4月からあまり低下しておらず、警戒されたほど悪くなさそうだ」(北沢氏)との見方が聞かれた。
前日に決算を発表した富士フイルムホールディングス、パナソニック ホールディングスなどが買われた一方、住友金属鉱山や、協和キリン、花王などの下げは指数の重しになった。
TOPIXは0.14%安の2083.09ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比0.13%安の1071.84ポイントで取引を終了した。プライム市場の売買代金は2兆9627億2600万円だった。東証33業種では、値上がりは石油・石炭製品や鉱業、サービスなど12業種で、値下がりは非鉄金属や海運、倉庫・運輸関連など21業種だった。
取引時間中にJX金属の新規上場(IPO)準備開始を発表したENEOSホールディングスや、営業利益6倍の今期予想を示した三菱製紙が急伸した一方、大林組はさえなかった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが740銘柄(40%)、値下がりは1021銘柄(55%)、変わらずは73銘柄(3%)だった。
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