- 2023/05/17 掲載
グローバルサウスとの懸け橋に=BNPパリバ証券・河野氏―広島サミット・識者インタビュー
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストはインタビューに応じ、19日から広島市で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)について、インドをはじめとする「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国と、G7との懸け橋になることが議長国日本の役割だと強調した。主なやりとりは次の通り。
―広島サミットに求めることは。
中国が膨張し、米中いずれにもくみしないグローバルサウスの存在により、G7はグローバル経済のリーダーではなくなっている。G7の結束が世界の対立を深めるものであってはならない。
―議長国日本の役割は。
グローバルサウスは米国、中国のどちらに付くか踏み絵を踏まされるのを避けようとしている。日本が独自の対応を取ることでこそ、G7とグローバルサウスとの懸け橋になれる。
―米欧発の金融不安がくすぶっている。
リーマン・ショックの反省もあり、金融システム危機は何としても避けようとするだろうから、世界経済の大幅な落ち込みは避けられるかもしれない。ただ、必要な利上げができなくなってしまうリスクもある。インフレ問題と銀行問題が同時に起こっており、帰結が非常に難しくなっている。
―米国の債務上限問題が収拾できない場合の影響は。
甚大だ。シリコンバレー銀行などが破綻した問題のレベルでは済まない。
―「チャットGPT」など生成人工知能(AI)の活用もテーマだ。
巨大IT企業による寡占や独占の問題が経済格差をもたらす構図は変わっていない。IT技術が社会の分断をもたらしており、人間の顔を持つ社会の構築が必要だ。
【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答えるBNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト=11日、東京都千代田区
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