- 2023/05/18 掲載
北アジア地域の株式に投資妙味、南北格差がテーマとの見方も
金融緩和や積極財政に起因する流動性に加え、アジアの中央銀行が早期にインフレを抑制したことが、北アジアの株価を支える要因になるという。
BNPパリバ・ウェルス・マネジメントのアジア担当最高投資責任者、グレイス・タム氏は、昨年は南アジアの株価が好調だったが、今年は北アジアの株価がアウトパフォームすると予想。「(北アジアには)累積需要と余剰貯蓄が豊富に存在する」とロイター・グローバル・マーケッツ・フォーラム(GMF)で語った。
リフィニティブ・リッパーのデータによると、1─4月はグローバル株式ファンドから510億ドル以上が流出したが、中国、日本、台湾にはそれぞれ26億ドル、81億ドル、23億ドルが流入した。
JPモルガン・プライベート・バンクの米国株ストラテジスト、アビゲイル・ヨーダー氏は、中国株に投資妙味があると分析。多くの企業がコスト削減を意識して利益率を維持しており、バリュエーションよりも企業業績からリターンを期待できると述べた。経済再開も売り上げを底上げする要因になるという。
ゴールドマン・サックスは、アジアの南北格差が今年の重要な投資テーマになると指摘。第2・四半期の見通しで「2024年の北アジアの業績回復と中国の成長回復が引き続き当社の重要な投資テーマであり、オーバーウエートの対象領域だ」との見方を示した。
HSBCの株式リサーチ責任者、ヘラルド・ナン・デル・リンデ氏は、米欧経済が1年前の懸念ほど落ち込んでいないことや、人工知能(AI)の台頭も、北アジアにプラスになると指摘。「これは輸出業者にとって朗報だ。(韓国や台湾の)多くの企業は半導体やクラウドサービスの需要拡大で潤っている」との見方を示した。
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