• 2025/08/01 掲載

関税による輸出採算悪化、賃上げへの影響に不確実性=日銀展望リポート全文

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Yoshifumi Takemoto

[東京 1日 ロイター] - 日銀は1日、7月31日に概要を公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の全文を公表した。米関税引き上げによる輸出企業の採算悪化が賃上げに与える影響について「不確実性が高い」と懸念を表明している。

<企業コスト削減に注力なら賃上げ弱まる可能性>

展望リポートでは、4月から25%の関税引き上げに直面している「日本から米国向けの自動車輸出の価格動向をみると、関税分を含まない輸出単価やドル建てでの輸出物価は、4月以降2割も下落しており、日本の自動車メーカーが現地の販売価格上昇による数量減を回避する一方、輸出採算悪化というかたちで収益を悪化させていることを示唆している」と指摘。

「足元では製造業の一部には米関税引き上げによる輸出採算悪化の影響が生じているとみられる」とし、賃金動向について「先行きの所定外給与と(ボーナスなど)特別給与は、米国の関税引き上げの影響が強まるのに伴い、製造業を中心に下押し圧力強まっていく」と予想している。

このため、輸出採算悪化や海外経済の減速に伴う製造業大企業の収益減少が、人手不足を背景とした足元の賃金上昇モメンタムに「どの程度の悪影響を及ぼすか、不確実性は高い」とした。

さらに先行き「各国の通商政策等を巡り不確実性が高い状況が続き、企業収益への下押し圧力が強まることがあれば、企業はコスト削減に注力する傾向を強める可能性があり、物価上昇を賃金に反映する動きが弱まることも考えられる」と懸念を示している。

一方、サービスの輸出に計上される訪日外国人旅行客(インバウンド)需要について、「現状程度の為替相場が続けば、堅調に推移する可能性が高い」との見通しを示した。

リポートでは、食料品価格の前年比上昇率が昨年7月の2.7%から今年6月は8.4%へと大幅に拡大した背景について分析。この1年間の食料品価格上昇に最も大きく寄与しているのはコメ価格だとした。また、コメ価格上昇の波及効果に加え、チョコレートやコーヒーなど輸入食料品の価格上昇や、食品メーカーが価格設定スタンスを積極化させ、価格転嫁が進んでいる点も影響している、との見解を示した。

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