- 2023/05/18 掲載
脱炭素で多様な選択肢、「理解されつつある」=トヨタ・リサーチCEO
プラット氏は、19日からのG7サミット開催に伴う日本自動車工業会のイベントに出席し、英語で講演した。18日午前に原爆資料館などを再訪したといい、原爆ドームを目にした際に「共感力の重要性を改めて感じた」と述べた。
「平和もカーボンニュートラリティー(温室効果ガスの排出量と吸収量のバランスをとり、実質ゼロとする)も決して押し付けるのではなく、全体で共感力を持って取り組むことが大事」と指摘。「一個人や一つの国にとって良い答えが必ずしも他の国、皆にとって良い答えではないという前提でまず考えることが大事だ」とも話した。
日本の自動車メーカーは、バッテリー電気自動車(EV)など二酸化炭素(CO2)を排出しないゼロエミッション車に傾倒せずハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)などの開発を続けており、脱炭素化への取り組みが不十分として世界から批判の声も出ている。
プラット氏は、脱炭素の実現に関しては「最初はEVのみが唯一の最適解と思われていたが、それは現実的な解ではないということに気付き始め、世界がやっと理解を深めつつある」と指摘。脱炭素には「より複雑な解決策が求められ、それゆえにマルチパスウェイ(多様な選択肢)が理解され始めている」と語った。
地域によってエネルギー事情が異なることもあり、さまざまな脱炭素の手段を持つことは「多様なニーズに応えるだけでなく、不確実な未来にも有効な解決策」とし、多くの変化に「柔軟に対応できるよう、早くから一つに決めずにいろいろな選択肢をオープンにしておくことが大事だ」と語った。
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